アイドルの終わり方

何を書いても嘘になってしまう。けど書いておく。

 

嵐のラストライブ配信を見た。

誠意ある言葉たち。特別ファンじゃなくても全部口ずさめる曲。もう二度とやり直せない、今日で一つの時代が終わると本当に思ったこと。感謝と悔しさと。

 

今できるベストを尽くしていたと本当に思う。

こんな状況でベストを尽くすのは本当に大変だったと思う。

なんとかファンとの繋がりを作るインタラクティブなテクノロジーの数々。何度もネタにしてきたデビュー時の透明の衣装にオマージュを捧げるような、透明素材を使った真白な衣装を最後にもってきたこと。出世作かつ代表曲となったLove so sweetをセトリの最後の方に置いたこと。一人一人の挨拶。肩を組んで後ろに歩き出す五人の笑顔。霧が晴れたら、嵐が去り、虹がかかる演出。

 

たぶん、嵐とそのスタッフは、コロナさえなければ絶対に、何百倍も華やかで熱狂的で感動的なライブを作れたのだろうと想像する。

国民的アイドルとはそういう存在だから。

だからファンでもなんでもない私が配信を買って見たのだから。

それを含めて「21年間の中には叶わなかった夢もある」と言っていたのかな…

でも誰にもどうすることも出来ない中で、これが今できるベストだったと信じる。人は生きる、音楽は残る、人生は続く。

 

なんかもう…そういうのも含めて嵐の凄さを感じた。精神的なタフさ、責任感の強さ、そして、芸能の世界でずっと生きてきた人特有の覚悟のような何か。

 

「今日もテレビで言っちゃってる 悲惨な時代だって言っちゃってる 僕らはいつも探してる でっかい夢とか希望探してる」が今、まったく別の意味を持つように聞こえることも、宿命を感じてしまうのだった。

 

ここまで頑張ってくれたひとたちにかけられる言葉なんてもうない。

ただただお疲れさまでしたとしか言えない。

 

アイドルはこんな終わり方ができるんだと何度も思って、でも同時に、嵐にしかできない終わり方だったとも思う。

誰の何にスター性があるのかと言われるとあまりうまく説明できず、それでも圧倒的トップアイドルだということに疑問をもったことはない。

それが嵐だった。