命を燃やして映画館に通っている『イン・ザ・ハイツ』の感想。
ニューヨークに住むラテン系移民たちの苦悩と希望をパワフルな楽曲でまとめあげた傑作ミュージカルの映画化。前情報0で観に行ってしまったのですが、最初の『In The Heights』が流れたときから「あ、多分このミュージカル好きだ」となり、BlackoutからのPaciensia Y Feのとこで爆泣きして、映画館を出る頃には「明日から私もがんばって生きる(涙)」となっていた。そういう気持ちにさせてくれるミュージカルと出会う瞬間は特別で、だから私はミュージカルが好きなんだよなーー!!と思わせてくれる最高の作品に出会えました。
まず、表題曲でもある『In The Heights』でがっちり心掴まれた!最初のサビでIn the heights I flip the lights and start my day〜♩ってなるところの盛り上がりがたまらなくどきどきする!(ここからサルサになってるらしい)タイトルと同じ名前の曲がテーマ曲になるミュージカルってやっぱりかっこいい…。この曲で、主要キャラがほぼ全員紹介されるのもいいし、ワシントンハイツに住む人たちの「夜が100万年後に感じられる重労働を、コーヒーで乗り切る」っていう日常をたくさん差し込んでるのがいい(レストランや清掃の仕事で働く人たちのカットが差し込まれてるの、撮り方いい〜って毎度うなる。一人一人に人生があるとわかるから)
No,no no no!から入るバネッサの歌のうまさ好きすぎ。
この映画、本当にワシントンハイツで撮影してるっていうのが舞台にはできない特別性だと思うんですが、交差点のところでたくさんのアンサンブルが踊るシーンは圧巻!街の持つラテンな雰囲気と熱量が超伝わってきてすごい。わくわくする!
この曲、Youtubeで公開されてるから家でずっと観ちゃう。
全然余談なんだけど、初見のときピートの存在を認識したのがかなり終盤で、でも見返すとピート超序盤から出てんじゃん!!wwwってなったw
『Benny's Dispatch』は聴けば聴くほど好きになる。タクシーの配車しながら陽気にラップして街の人とクラクションでコミュニケーションとるっていうのがすでに楽しいのに、ベニーとニーナの微妙でむずがゆい関係性もここで提示されてるのがきゅんとくる。
『Breathe』は私の最初の涙腺刺激ポイントで…。頭がよく、街で初めて大学に進学した女の子・ニーナの悩みについての歌。ニーナの感情が高まっていって、「子供のときから夜まで勉強 一番高いところに届くために 奨学金をとり街で初めて大学に行った」のところで私もうえーんってなってしまう…。彼女の肩にのしかかる重圧を知るとともに、アンサンブルで出てくる街の人たちがみんな優しそうなのがまた泣ける。大人は悪気なく子供に期待してしまうが、何事も一人の肩に背負わせるのは良くないってのもわかるだけに……
美容室のかしましソング『No Me Diga』は最高!!とにかくキャッチーでキュートで目が足りない!ダニエラみたいなお姉さんって本当に最高だし、アブエラとはまた違う意味で街のみんなの精神的支柱なのが素敵。背が高くてムードメーカーでずっと明るくケラケラしてるカルラも可愛いし、セクシーなカーディーボディに個性的でオシャレなメイクの毒舌クカも可愛いし*1、こんなお姉さんたちが近所に住んでたら絶対楽しい!!って思っちゃう。この曲が始まる前に、「ブロンクスは遠い」「電車で10分よ、先祖は奴隷船を生き延びたのにA列車ごときを生き延びれない?」みたいな会話があるのめっちゃいい。
ニーナが美容室に来て、「あんたなら全員すっ飛ばして1番よ!」「卒業式には私たちも呼んでね 名前を呼ばれたらぎゃーって叫ぶ」みたいに、街の人たちが本当に家族同然で、親戚の子みたいにニーナのことを可愛がってて誇りに思ってるのが伝わってきて、いい街だな…ってなった(それがニーナにはじわじわ重荷なのもわかるんだけど)。
『It Won't Be Long Now』は監督の美的センスが光るというか、映像ならではの美しい撮り方だなーって思う。ビルの上からカラフルな布が降ってきて、誰もいないワシントンハイツの道をバネッサが一人で駆けていくシーンは、デザイナーの夢を一人で追う*2バネッサの孤独な戦いが伝わってくる。主役のアンソニー・ラモスさんが「チュウ監督は映像として何が美しいかを理解している素晴らしい監督」ってパンフレットで言ってたけど、随所でその言葉の意味がわかる。ブロードウェイでトニー賞を何冠もとったミュージカルが原作なので、脚本や音楽がいいのはもはや当たり前なんだけど、それをあえて映画にするってなったときに、「これは映像じゃなきゃ撮れないカットだ!!」って思えるシーンが何度も何度も出てきて、本当にいい監督に撮ってもらえたんじゃないかな…(涙)って部外者のくせにそんなことまで思った。
このあたりで、主人公ウスナビは「故郷のドミニカ共和国に帰りたい人」、バネッサは「街に出てデザイナーの夢を追いたいが、資金面などの問題がある人」、ベニーは「自分でビジネスで成功したい夢をもつ人*3」ニーナは「コミュニティを代表して活躍を期待される重圧を持つ人」のように、同じワシントンハイツの住人にも様々な問題や苦悩を持つ人がいるってことが描かれてて、それがとてもいい。同じラテン系移民でも、今に問題を抱えてる人、乗り越えたい過去がある人、未来に叶えたい夢がある人…いろんな人がいて、でも根っこのとこには「ラテン系移民である」という共通点があり、わかりあえないことも、わかちあえることもある。それぞれの見ている世界が交差していく構成が非常に上手く、本当によくできた脚本だなーって思った。
『96,000』は、実際にプールで撮影したことが信じられない!!美しすぎる。プールの真ん中で紫の浮き輪で浮かぶバネッサの美しいこと…。音が小さくくぐもるところで映像も水中になるのオシャレすぎる!「宝くじが誰かに当たった」っていう筋書きでみんなの人生が変わり出すという話になると思わなくてどきどきした。結果、当選者がわからなくて「大事なのはみんなが夢を持ってたことなんだ」ってお伽噺みたいに言われて、へえそういうもんか…って思ってたので、まさかそれがあんなことになるとは……
ソニーの子がラップうまくてかっこいいんだよな〜!!子役出身らしい。
本当に前情報0で見たので、かき氷売りの人がまさか原作・音楽・製作担当&ブロードウェイ版初演ウスナビの人だなんて思わず、後から調べてめちゃめちゃびっくりした…。しかも『Piragua』で出てくるチェーン店のアイスクリーム屋が同じブロードウェイ初演のベニーだなんてなんというサプライズ!!原作ファンの人嬉しかっただろうな〜。
なにげなくこの動画を見てて、8:30〜あたりで、えっこのベニーもしかして……ってなって気づいた。
『When You're Home』も本当に大好きな曲。ベニーとニーナの現在の距離感が描かれ、今もお互いを大切に想っていることにきゅん…。全体的にラテンミュージックやヒップホップ、サルサな曲調の楽曲が多い中、ベニーとニーナの曲は明確にアメリカンポップテイストらしい。音楽の教養が全然ないので聴いただけで言い当てられないのだけど、言われてみればテイスト違うなーと思うので、もっと勉強したい…。
前半は二人の青春時代の思い出みたいな歌詞でかわいいんだけど、Don't say that, don't say that!からの転調で胸が締め付けられる。この曲でニーナが歌うのは、「私の居場所はどこ?」ってことで、これは多くの移民がぶち当たる壁なのかなあって思った(Paciencia Y Feでアブエラも似たようなことを歌っている)。同じ移民でも、一世と二世とではまた感覚も違うだろうし、ニーナの「もし両親がそのままプエルトリコにいたら?NYを知らずに私はどうなってた?その答えが見つかるかもとスタンフォード大学に行ったのに」という吐露は切ない。ラテン系に限らず、この世の移民2世の人はこの歌詞に共感するところは多そう、と思った。
それに対して「正直に言うよ、俺は朝から君のことばかり 聞いて、君は今自信を失ってる でも信じて、君が自信を取り戻したらそのときは君は世界を変える人だ そのときは自慢する、うちの地元の娘だって!」って言えるベニーの男前なこと!!!!!こんなにニーナのこと想ってくれてるんだと思って泣ける。いい恋だな〜。なんで別れちゃったの!?と思うのであった。
やっぱ、頭のいい女の子のそばに、こういうふうに支えてくれて、君は世界を変える人だ!って言ってくれる男の子がいるのは最高ですね……
『The Club』のダンスチューンは熱気が伝わってきて体が熱くなる感じがするんだけど、それにしてもこのあたりから「ウスナビ……なんでそんなことすんの!?!?!」という恋愛偏差値0行動が目立ってドキドキする。笑 このへん、saebou先生が「ラテン系の男の子=女の子にぐいぐいいくもんだっていうステレオタイプじゃないキャラにしたかったのだろうと思うけど、普段は別にシャイでもなんでもない社交的でリーダーシップもある男の子なのでバランスが悪く見える」みたいに仰ってて、なるほどな〜と思った。
何回も観てるうちに、まあ別に擁護はできないけど、ウスナビは仕事とか社会奉仕活動(?)とかではコミュニティの中心で積極的にやってきたけど、あんまり恋愛に自信がなくて、しかも相手が街一番の人気美女ってとこもあって、引け目感じてるから、だからバネッサから100%OKが出てるってわからないと行動に出れないみたいな思考回路なんやろうな、って思いました。でもこのクラブシーンだけでなくもう一回(シャンパンのシーン)重大な脈なし行動をとっているため、本当お前…バネッサがいい子だったからどうにか成就しただけで、ここまで女の子に恥かかせたら普通は上手くいかんわ!!て思いました。笑
そんでここからが本当にもう〜大号泣シーン突入!!!
『Blackout』は、物語の重大なターニングポイントである街の大停電をモチーフに、主要キャラクター全員が登場し、それぞれの運命が動き出す壮大なコーラスナンバー。私はミュージカルで、みんながそれぞれのパートを歌ってそれがだんだん重なって大きなコーラスになるっていう楽曲が大好きなので、本当にこの曲が大好き!!
同じ停電の日に、みんなが同じ場にいて、ウスナビとバネッサは大げんかして、ベニーは仕事に向かい、ソニーとピートは花火を打ち上げ、美容室トリオはアブエラの家に向かい、アブエラには死が迫って……。停電というパニックな事態なのに、すぐに「花火を打ち上げて明かりにしよう!」とか言って、打ち上げ花火や手持ちの花火を明かりの替わりにして、わーって街でダンスし始めたりしちゃうラテンの人たちの底抜けの陽気さを描きつつ、でも、問題は山積みでそれらが交互に差し込まれて怒涛の映像が流れ込んでくるのが圧巻。ベニーが、混乱する道路を見て「明日失業だとしても今夜は違う」とタクシー会社に向かい、携帯と簡易な発電機で交通整理をするところはベニーの覚悟に泣いてしまった。私はこういう、深刻な事態がおきているときでも自分のできる範囲のことはまっとうする、っていう人間の真摯さに弱い*4。
大問題が起きてても、すぐに明るく笑えて忘れちゃえる、でも根本のところの問題は全然解決してないっていうのが、この作品全体のことを暗喩しているようで、象徴的なシーンだと思ったし、ここで”We are powerless.”というダブルミーニングのキーワードが出てくるのがものすごく胸に刺さった。私たちには電気がない/私たちは無力である…。
冒頭の「Somebody better open these goddamn doors!(誰かドアを開けろ!)」とかも、示唆的な歌詞なのかなー、と思った。この現状を打破するためには、誰かがまずドアを開けないといけない。
ここからアブエラのソロ『Paciencia Y Fe』につながるのですが、このソロ曲が圧巻すぎて……!!アブエラが半生を振り返りながら情感をこめて歌う追憶の曲なんだけど、後半になるにつれて、これは”怒り”の歌なんだ、ってわかるのが、つらくて、つらくて……。
アブエラは移民二世で、ウスナビやニーナ、ソニーも多分二世なんですが、やはり1943年にアメリカに渡ってきた人と、90年代とかに渡ってきた人とでは全然違うんだろうなって思う。故郷にいたとき、街には飢えと怒りが満ちていて、だから仕事のあるニューヨークに来たのに。遠いけれど仕事のある街は歓迎してくれると思ったのに。「And now, I'm awake. A million years too late. I talk to you imagining what you'd do.(今私は目が覚めた 百万年遅すぎた だからあなたに話すの)」の歌詞が凄すぎて、どうしてこんな歌詞を書けたんだろうって思ったし、やっぱリン=マニュエル・ミランダのそばに本当にこういうひとがいたんだろうか、って考えた。こんな大切なことに今まで気づけなかった自分にも、自分たちを受け入れてくれなかったアメリカにも、自分をアメリカに連れてきた親にも“怒り”の感情があって、そしてその怒りをぶつけるべき先がどこなのかももうわからず、慢性的な怒りでずっと自分を傷つけてきたことが伝わってきてつらかった。この漠然とした怒りは、移民の人ならみんな少なからず心の底に抱えてる感情なのかも。傷つくことは沢山あるのに、どうしたら解決できたかわからないまま生きるのはきっとすごくしんどい。
ママの仕事のためにきた、そして自分もここで働くようになり、一日一日が苦難の連続で、「したいこと」なんでアブエラには考える余地もなかったんだろう。そして年をとり、彼女は今、「残るか、帰るか」の決断を迫られ、「ママ、私はどうしたらいい?」と尋ねる。移民二世は良くも悪くも親の人生の延長線上から人生が始まってしまうという苦しさがよく伝わってきた。
故郷にいたときのように毎日床掃除の仕事をして、英語に苦戦して、なんとか生き延びて、「こんな話をすると胸が張り裂けそう」と、NYの地下鉄を乗り継ぎながら歌うアブエラの表情がもう凄すぎて、私はいつもこの曲でうめき声が出そうなほど泣いてしまうのであった。些細な人生に見えるか?でもこれは一人の人間の物語で、何十万人の人間の物語でもある。アブエラの人生のストーリーでありながら、多くの移民ひとりひとりの個人的なストーリーを歌っているようにも聴こえるすごい歌だと思った。自分が当事者だったらこの曲を聞いてどんな気持ちになるんだろうって想像してしまう。
アブエラ役オメガ・メレディスさんは、ブロードウェイ版オリジナルキャストでも本役を演じていたとのことで。。別格の存在感だったなあ。
『Alabanza』でアブエラの死を悼み、ウスナビとバネッサはちょっと仲直りして、そして、ソニーとニーナは週末のデモへ。
ソニーが不法移民であることから大学に進学できないという問題に直面し、「君を目指してた」と打ち明けられたニーナが、お父さんに「パパ、決めた。パパの与えてくれた教育を生かし、移民の子の市民権のために戦う。大学は出口ではなくこの街に戻ってくるための通り道かも」と決意を語るシーン、そうくるのかー!!って思って大感動した。ニーナの苦悩もわかるはわかるし、それはそれとして、お父さんが店を売ってまでニーナの学費を払うとためらわずに決断していることは、子供にとっては重いんだけど、でも、親だったらそうするよなってのも最初からすんごくわかってた*5。私は正直、ニーナがドロップアウトしてしまっても仕方ないと思っていて、そうだとしてもそれを肯定的に描いてくれる終わりだといいなと思っていたので、まさかこんな上を行く結末をニーナが導き出すとは…。それに対するお父さんの「来たか。お前は俺を追い越した。大学じゃなく見てるんだ、俺には見えなかった未来を」「(お前は)プエルトリコ人、ニューヨーク・リコ人だ。”移動する民”だ、みんながついてる。お前を疑う奴は無視しろ。傷ついても戦い続けろ」のところ、なんか本当に王様と王位継承者の会話みたいでアツすぎた。”娘が父を超える瞬間”であり、お父さんにとっても、ニーナにとっても、この決断に帰結させるまでの流れに納得性がありすぎて、なんて完璧で美しい物語なんだろうと思った。パンフレットでチュウ監督が「この物語の、次の世代は常に前の世代よりも遠くの景色が見えるというアイデアが好きなんだ」と語ってて、なるほどー!!と思ったものです(アブエラの選択にも繋がる話だと思う)。
『Carnaval del Barrio』も本当に大好きな曲!!毎回大感動して泣いてしまう。「パワー(電気)はないけど、パワフルよ!!」と言い放つダニエラのかっこいいこと!ニーナとベニーがキスしてた!!ってゴシップでみんなが大はしゃぎしてるの最高。この曲も明るいサンバ・チューンでありながらもソニーが「ちょい待ち ウスナビは故郷に帰ってニーナは男にとられた、俺のベビーシッターだぞ!ボテガは閉店、タクシー会社は売却、美容室は移転 歌って踊ってる間に人はいなくなって街は崩壊していく」って切り込んで、バネッサとWe are powerless, we are powerlessって歌う(このハモリか超きれい)のに対し、ウスナビは「そうだ無力な俺たちだけどロウソクに火を灯そう 無力でもできる 永遠に変わりゆく移民の街は今日が集まれる最後かも なのにこの瞬間を無駄にしたいか?」って返してて、どっちもあるのがよかった。この作品の全てを表してると思った。目の前にある大問題から目を背けてもダメだし、でも、目の前にある小さなことから行動するのを諦めちゃいけないのも本当で、どちらも肯定的に描いてるのがすごかった。ウスナビのいいところは、この「目の前にある小さな一歩を絶対に踏み出す行動力」であって、そういうところにみんなが惹かれるのはわかる。Blackoutでもソニーは「ウスナビを見習って人のために行動しよう」って言ってたし…。
ここでみんなより上の立ち位置からピラグア売りのリン=マニュエル・ミランダが「旗を掲げよう 美しい魂が詰まってる!」って歌うの、構図的にもエモいっていうかこれ撮影しながらみんな楽しかっただろうな…とか想像してしまった。ドミニカ共和国、プエルトリコ、メキシコ、キューバの旗をそれぞれはためく中で、実際にラテン系キャストの人たちが集まって撮影することでしか作れない雰囲気がそこにあったと思う。ウスナビに国旗を手渡すのが子供なのもよかった……コミュニティの中で世代は続いていくんだよなあ。
移民のみんな、今の私が生きる場所はここだって思いつつも、「私が死んだら故郷に埋めて!」って気持ちはあるのが、アイデンティティをめぐる物語だなあと思った。自分のルーツを知っていること、自分の故郷を誇りに思うことが自分自身の力になるっていう感覚は、日本生まれ日本育ちの私にはあんまりない感覚で勉強になる。
『When The Sun Goes Down』は、どうやって撮ったのこれ!?ってまず思ったけどとってもロマンチックな曲。ふたりの遠距離恋愛への覚悟を歌った楽曲で、でももうこんなにお互いのことをリスペクトしてて、想いあってるなら、きっと遠距離恋愛でも大丈夫…と思いながら見てた。
behind the scene系の動画(これだと6:55〜)観てるとわかるんだけど、このシーン本当にビルのセットを傾けて撮ったらしい、すごすぎる…
『Champagne』でまーーたウスナビがやらかしたので、最後の最後までこれってことはもう本当に、ほろ苦い恋の思い出としてウスナビはドミニカ共和国に帰るんやな…と思っていたので、最後大どんでん返しでびっくりしたw ミスリードというか、そうだったの!?っていう演出がうまい。
『Finale』でウスナビとバネッサがこういう未来を自分たちで作り出したの、完璧な終わり方だなと思ったし、ウスナビが帰りたい故郷はここにあるって導き出せたの、よかったなあ。最後が子供のカットで終わるの、「未来」の象徴だと思った。完璧に美しいハッピーエンド!!リン=マニュエル・ミランダも、自分の故郷をこうやって大作ミュージカル作品にしちゃうことで故郷の存在を残すことに貢献しているのだから、すごいことだよね〜。
リン=マニュエル・ミランダさんのこと本当に何も知らなかったんだけど、私が大好きだった『モアナと伝説の海』の楽曲を作っていたり、大好きなトニー賞(2013?)のオープニングを作った人だと後から知って、人生の伏線回収気分。ハミルトン観たいよー、ディズニープラスさん、字幕はよつけてくれや!!
これを機に、プエルトリコは国じゃないということを知れたり、ラテン系アメリカ人のことをもっと知りたくなったり、音楽のジャンルが聞き分けられるようになりたいと思ったり、ダニエラの女優さんがRENT初演キャストだったらしいのでRENTを観たくなったり、興味の対象が広がりました。世の中、まだまだ知らないことばっかりですね。
思ったことたくさんありすぎ、好きなシーンも台詞もありすぎて感想を書き切れないのですが、とにかく記憶にある限りの好きなところをつらつら書きました。たぶん、今年のベスト映画になると思います。アカデミー賞楽しみだね!それではまた。
*1:クカの女優さんが個人的にツボな可愛さで、この方の出世作というオレンジイズニューブラックを見始めた。ダーシャ・ポランコさん。
*2:デザイン学校に向かってると思いきや、そこで出る布の端切れをゴミ箱から漁ってる描写がサラッとでてくるのとかすごい。街一番の美女なのにそんな感じなのだ
*3:なんでベニーだけ黒人なんだろうって思いながら観てたのだけど、ブロードウェイ版では、ワシントンハイツの中でもラテン系じゃないということでコミュニティの中でもよそもの、という立場の人として描かれてるっぽい。パンフレットでもちょっとそういう説明があった。
*5:全然レベル感の違う話ではあるのだが、私も九州の田舎出身で、高校の進路選択のときに学校の先生が「早慶に行ける偏差値があるのに、家にお金がなく九州を出れないとかいう理由で地元の大学を志望校に選んだらダメ。子供に学力があるなら、借金してでも学費を出すのが親の務めだ」と言ってくれた先生がいたことを思い出した。