世界の中心は女の子、それがバービーランド!…それで終わっていいんだっけ?/新時代のガールズムービー、映画『バービー』感想

日本公開日前までに書こうと思っていたのだが普通に間に合わなかった。後回し癖どうにかせんかい。

 

f:id:chanaoi214:20230812152211j:image

 

映画バービー観てきました!!一言で言うと「最高〜‼️😂👏」なのですが、一応書いておくと、私は公式ツイッター騒動 が起きる前にこの映画を鑑賞しております。なので純粋な気持ちでこの映画を観ることができたラッキーな人間であり、なるべくそのときの気持ちを思い出しながら書きますが、#baebenheimer についての北米滞在中日本人としての見解もちょっとだけ後述したいと思います。

 

もくじ

 

映画の感想(※大ネタバレあり)

もうとにかく、マーゴット・ロビーライアン・ゴズリングが最高of最高of最高すぎる。優勝!!!!!て感じです。予告見た時点でもうこれは勝ち確キャスティングと世界中の人が思ったと思うけど、本編見たらさらにその上、The perfect casting ever...‼️て思いました。


www.youtube.com

 

特に冒頭シーンのマーゴット・ロビーはリアルバービーそのもの。この世界観のシーンだけ永遠に見ていたい!と思えるほど!そもそもマーゴット・ロビーが完璧なルックスの持ち主ってのもあるんだろうが、衣装、ヘアメイク、そしてマーゴット・ロビーのドール風の動き、圧倒的なハッピーオーラなどなど、もう本当にすべてがかっちりハマってうっとり。女の子の憧れの世界そのもの。はぁ、もう、大大大好きにきまってるやん、女の子に生まれてよかった〜!!て感じです。最高!!

 

ライアン・ゴズリングも負けず劣らず最高で、まずケンのキャラクター設定として、バービーが好きで、中身が特になく、バービーに見てもらえた日以外はハッピーではないっていう、な〜んかしょうもないけどキュートな男感がうますぎ。これ言語化むずい!でも観たらみんな笑っちゃうと思うし大好きになっちゃうと思う。ライアン・ゴズリングは私の中ではラ・ラ・ランドの人というイメージだったから、こんなにコメディ演技も上手いのかと感服しました。

 

キャスティングといえば、まずこの映画の勝ち確設定として、バービー=マーゴット・ロビー、ケン=ライアン・ゴズリングっていうキャスティングではなく、「この世界にいる女の子はみんなバービー、男の子はみんなケン」っていう設定にしたことだと思います。言われてみれば確かにそうだなとも思えるし、とはいえ0からその発想にたどり着いたのはやはりすごい。監督と脚本家のクリエイティビティやな〜!と思う。

さらに、アフリカ系のバービー、アジア系のケン、車椅子に乗ったバービー、プラスサイズのバービー、妊娠中のバービーなどなど、これでもかというほど多様性をもったキャスティングをしており、ポリコレクリアのためにそうしました◎◎◎...なのかと思いきや、そもそもマテル社がそういうバービー人形・ケン人形を既に出しているっていうとこまでメタ的で面白い。EDで明かされるんだけど、映画の作中で出てくるたくさんのバービーたちは実際に発売されたルックを再現しているようだ!こういうのファンには嬉しい〜

 

さらに、大統領のバービー、宇宙飛行士のバービー、医者のバービー、工事現場のバービーなど、バービーたちの職業もさまざま。これも、ポリコレクリアするための映画オリジナル設定ではなく、実際にマテル社が出している"You can be anything(あなたは何にでもなれる)"コレクションの再現っていうのがおもしろい。

 

じゃあ、人種や身体的特徴、職業に多様性のあるバービーがたくさん出て、私たちは平等🎶なんにでもなれる🎶ハッピー!!🎶っていうメッセージの映画になるかっていうと、そんなの安直すぎと言わんばかりのストーリー展開になるとこがこの映画のいちばん面白いところだと思います。私がこの映画を「アメリカさすがにすげ〜〜!2023年のガールズムービーってこんなことできるんだ」と思った一番の理由は、「金髪碧眼白人スタイル抜群のバービーは、現実社会を生きる女の子に画一的で不自然な"美の基準"を刷り込むという批判があったこと」「批判を受けてマテル社は人種や体型、職業が多様な人形を販売していること」は、すでに見る人全員が知っている前提で、それをメタ的にネタにし、「じゃあその先は?」って展開に持っていってるところです。

 

特に、大統領から宇宙飛行から医者から工事現場作業員まで麗しい女の子が担当する社会・バービーランドを「現実社会(男性中心社会)の真逆の世界」っていう立ち位置に捉えるの本当に面白いと思った。んなわけないよね〜wwwっていう。冒頭の「バービーランドでは女の子の悩みはすべて解決したのでバービーはいつもハッピーです🎶」みたいなとこからパンチ効いてる!!笑

バービーがいないと自分の存在価値すらあやふやになってしまうケンが、現実社会(男性が中心の社会!!)と出会い、父権主義に目覚めるっていう展開、腹立つけどおもろすぎ。てか、こんな大衆受けど真ん中みたいなエンタメムービーで Patriarchy(家父長制)って単語が連発されること自体が、さすがにアメリカは進んでんなと思わざるを得なかった。ここ日本語吹替で正しいニュアンスで翻訳されるかどうかすら個人的にはハラハラする。観た人いたら教えてください!笑

feminismやら patriarchyやら、日本では(というか多分アジアでは)、単語を聞くのも嫌だみたいな感じで拒否感を持つ人が多い概念を、映画鑑賞者全員が前提知識として持っていると信頼できること、その上でそれをユーモアでぶっ放すクリエイティビティがあることが、アメリカという国の力であり、かつ、この映画を作った人たちの力だな〜と本当に思いました。

 

要所要所でぶち込まれるジェンダー論あるあるがおもしろい。

・「みんな私をモノみたいに見てくるの!😫」ってバービーが言うシーン、これは実際に街中などで女性が男性からモノを見るような目でジロジロ見られることがあることの表現ではあるが、実際にモノ(玩具)であるバービーが言っている面白さもある

・バービーランドでは大統領も女性だが、途中ケンがアメリカの成り立ちを知るシーンで流れるように、女性米大統領なんて過去に1人もいない

フェミニストであろうとする男性、「私も女性から生まれた」とか言いがちwww (間違ってはないけど、「ゲイの友人がいるので私はLGBTQ差別をしない」みたいな、なんじゃそりゃ理論に聞こえる)

・女性向け商品/サービスの会社も、経営層は男性が占めがち(マテル社もなんかーい!)

・男、戦争始めがち(全世界あるある)

 

こういう社会背景を、皮肉のきいたユーモアでバンバン出してくるところがさすがやな〜って思いました。

 

バービーを映画化するっていう企画の時点で、「多様性のあるバービーたちが協力しあう」ってだけでも1つの話は作れただろうけど、この映画のさらにおもしろいポイントとして、バービーの所有者である人間の母娘がメインキャラとしてがっつり出てくるところだと思います。

Z世代の娘(そして非白人!)は「あなたを見ていると自分が美しくない、完璧じゃないって感じる。だからあなたが嫌いなの」と、いかにも、多様性の大切さが提唱され始めた世代っぽい意見を述べるのに対し、その母親は「1人で寂しかったとき、いつもあなたが遊んでくれた」と、永遠の友達の象徴としてバービーを今も大切に思う気持ちを持っている。バービーはアメリカ社会においてその2つの側面を持つ玩具であり、この映画を観る多くの人、特に子供の頃バービーで遊んだことのある女の子は、そのどちらか、あるいは、どちらもの気持ちを持つ人が多いのではと思う。その両方の気持ちを肯定するような、バービー人形と、それで遊んだかつての少女たちに対する愛情深いまなざしも感じました。

 

バービーなんて!と言っていた娘の方が「今度は私たちが彼女を助ける番じゃない?」と母を諭す場面はとてもすてきなシスターフッドだと思います。バービー同士の友情ってだけじゃなく、人間側がバービーのために何かしてあげようとする、そんな展開想像もしなかった。

 

お母さんがバービーたちの前で演説ぶちかますシーンがめちゃくちゃよくて、このメッセージを入れられるのは制作陣の信念だと思った。「女性は美しくありなさいと言われる、でも男性を変な気持ちにさせるほど美しくなりすぎてはいけないとも言われる。素敵な母親でありなさいと言われるし、社会に出て一生懸命働きなさいとも言われる。女性に要求されるすべてのダブルスタンダードを満たせる完璧な女性になんてなれっこない」...これは実社会を生きる私たちへの力強いメッセージでもあるし、同時に、ステレオタイプなバービーが”イコール悪”なのではなく、そもそもたった1人の女性像がすべての女性のレプリゼンテーションになどなれるはずがない」という、バービー人形に対する再解釈の可能性も感じられてとても良かったです。


また、バービーと、バービーを最初に生み出した創業者が対話するシーンもとても素敵なシスターフッド展開だなと思いました。時代の要所要所で批判も受けてきたバービー人形ではあるが、そもそもは女の子の幸福を願って作られたおもちゃである、というところに立ち返ってみせたのも、映画制作陣(女性監督)から、バービー創業者の女性へのリスペクトの気持ちが感じられてとてもよかったです。

娘の名前バーバラにちなんでバービーと名付けたのよ...のシーンはじーんとしたし、そしてバーバラさんご本人がとても素敵なカメオ出演しているのもすっごくよかったなと思います。

 

バービーが最後、人間になるという選択をするのは、そんなんアリ?!って思ったけど、言われてみれば確かにバービーは人形なので、それで遊んだ女の子の数だけ物語を作ることができ、"あなたはなんにだってなれる"が昨今のバービーのテーマなんだから、これはこれでありえるのか...と思ったり。「ケンのアイデンティティを探そう」のくだりは蛇足だなと思ったんですけどwww(こんなに父権社会を皮肉って、最後には「男の子のこともちゃんと気にしてあげよう🥺」で終わるの、どーなん??て思ったwww)あのシーンアメリカの人にはどう写ってんのかな。

ラストのバービーの一言が大オチとして完璧なので必見です!!!ちなみに私は英語がわからず「オチが...わからん!!」という悲しい結末になったのもいい思い出(後から英語話者の友達に教えてもらいました🤣爆笑)

 

あと全体として、バービーを無理にGirlBossにしなかったのも凄いなと思った。トイ・ストーリー4のジェシーとか、映画マリオブラザーズのピーチ姫とか、昔からいる、いわゆる女の子らしいヒロインを現代版に落とし込む時に「戦うヒロイン」にアップデートされることが多くて、それはそれで1つの解だとは思うんだけど、バービーを金髪碧眼白人スタイル抜群美女のまま、ファッションとヘアメイクが抜群に可愛くて、特に仕事してるわけでもなくマイノリティ性を持ち戦ってるわけでもない女の子のお人形さんとしてそのままヒロインに持ってきて、それでもフェミニズムのコンテクストを多大に織り交ぜた作品に仕上げることはできるという、そこの企画性の高さや発想の豊かさがすごいと思いました。物語をより面白くする方にポリコレやフェミニズムを組み込める創造性ってやっぱりアメリカはレベル高いな〜と思います。

 

社会現象としての映画バービー

前提を書いておくと私が今滞在しているのはカナダであり、アメリカではない。周りにいるのはカナダ人で、アメリカ人の友達はおりません。ただ、これはカナダの特種な側面だと思ってるんだけど、政治的なこと・歴史的なことを語るときは「カナダはアメリカとは違う」という論調なのに対し、映画やポップカルチャーについて語るときは「北米ではさ〜」とナチュラルに自分たちとアメリカ人を同化して喋る人ばかりなので(笑)、まあ、映画バービーに関してカナダで私が見聞きしたことと大体似たようなことがアメリカでも起こっとるのでしょう、という仮定の下話します。

 

バービーの公開日後、特に最初の週末は、街ゆく人に明らかにピンクの服装が増えていて、バービー観てきたんだなって人は見た目でわかる、とみんなが話してるほどだった!ただの映画というより、ひとつのムーブメントを目撃してる気持ちでした。

商業施設に入っても、すべてのブランドがバービーとタイアップしてるんかと錯覚するほどあちこちでバービーグッズを見かけたし、


f:id:chanaoi214:20230812153536j:image

f:id:chanaoi214:20230812153539j:image

特にタイアップしてなくてもなぜかピンク色のものを展示してるテナントも増えてました。まさに社会現象!!


f:id:chanaoi214:20230812153449j:image

f:id:chanaoi214:20230812153453j:image

 

公開初週にピンクの格好してた人たちはお互いにバービーを見る人ってわかってるから、「Hiバービー!」って声かけあったりしてたらしいwww 陽キャの国だ...

 

最大手の本屋さんindigoがバービーのポップアップストアをしてたので覗いてきました。


f:id:chanaoi214:20230812152123j:image

f:id:chanaoi214:20230812152127j:image



まず、"The most diverse doll line"ってキャッチコピーがおもしろい。そこが売りなんだ感。

f:id:chanaoi214:20230812152120j:image

 

映画にも出てきた車椅子バービー始め、ダウン症のバービー、歯科矯正中のバービー、義足のケン、まだら肌のケンなど、人種だけじゃなく身体的ハンディキャップを持つドールもかなり発売されている。これってほんとアメリカならではだよな〜としみじみ思います。なんか、「メディアに出るものに自分を投影することができるかどうか」という概念、要はレプリゼンテーションの重要性が、日本よりずっとずっと高い文化圏だなと感じる。

www.cosmopolitan.com

 

f:id:chanaoi214:20230812152755j:image

You can be anythingコレクション。The女の子向けドールっぽい、美容師さんやメーキャップアーティストもいるけど、医師・救急救命士・音楽家のバービーが売られていた。ただ横にいたアジア系カナダ人の友達が「ほらやっぱり、音楽家バービーはアジア系。アジア人は楽器が弾けるってステレオタイプがあるからね」って言ってたの興味深かった。よく聞くステレオタイプだよね〜

 

少し前にNY自由の女神を観光してきたのですが、自由の女神は戦時中はアメリカの愛国心を高めるプロパガンダとしてイメージを利用されてきたが、戦後はポップカルチャーとコラボすることも多く、今もなおアメリカ社会を象徴する存在である... みたいな展示があって、そこにバービーもいたことを思い出すなどした。バービーはただのおもちゃの域を超えた、アメリカ社会のカルチャーアイコンなのだなと改めて思いました。だからここまで映画も注目されたんでしょうね。

f:id:chanaoi214:20230812160042j:image

 

#baebenheimer とバービー公式Twitterの騒動について(※オッペンハイマーの大ネタバレあり)

まず大前提として、アメリカではバービーとオッペンハイマーが同日公開であり、この2作品が両方ともS級ハリウッドスターや超大物監督が携わった大作であること、かつ、内容が真逆すぎるということから、ネット上で「どっちを見る?」と比較するようなコンテクストやミームが大量に生まれた現象のことを #baebenheimer といいます。明確な誰かが言い始めたわけではない。私の周囲のカナダ人の子も何人もこの映画たちの話題を出してました!

 

ちなみに私はオッペンハイマーも観てまして、まじで1ミリも内容が理解できなかったため、このミームが1番好きです。

f:id:chanaoi214:20230812160734j:image

 

ざっくり一般化しちゃうと、バービーが「典型的な女性向け映画(ピンク!ハイヒール!ファッション!ドール!)」、オッペンハイマーが「典型的な男性向け映画(戦争!兵器!愛国!名誉!)」と、本当に真逆すぎるため、その落差が面白いよねっていうブラックユーモアが #baebenheimer です。2つのイメージを組み合わせ、バービーの背後で核爆弾が落ちているファンアートが生まれているのも、要はネット上で匿名だからできる"不謹慎ギャグ"だと私は捉えています。

 

※余談だけどオッペンハイマーに女性の登場人物は2人しか登場しない上に、2人ともオッペンハイマーの恋愛相手でしかなく(政治や戦争に関わる働きをしない)、そしてその内の1人は大半が裸っていう、ほんとにバービーと真逆もいいとこのThe 男映画です。バービーが退屈だった男の子、必見。当然ベクデルテストはパスしてません。さらにいうと近代史ものだから仕方ないとはいえ登場人物のほぼ全員が白人という、クリストファー・ノーラン監督だから許されたんちゃうかと思うほど、2023年においてもはや逆に珍しい作品となっております。

 

どれくらいバービーとオッペンハイマーがセットで語られているかというと、先程のミームもそうですが、

例えば「映画バービーを観に来た人は一目でわかる」現象をネタにしたこの動画でも

www.instagram.com

キャプションに「明らかにオッペンハイマーを見に来た私たち」ってついてたりとか笑、

 

最近離婚発表したカナダのトルドー首相が、離婚発表後にツイートしたのがこれ

1番のアピールポイントは「離婚後も私たち家族は仲良しですよ!」てことなんだろうけど、息子とバービー、娘とオッペンハイマーを観るっていうパフォーマンスがさすがトルドーというか、パフォーマンスってわかっててもこれをやれることがカナダの首相の役割なんだなと思わされる。とまあ、首相がこの2作品を並列で語るくらい、北米の人にとって、なぜかなんの関係もないこの2作品がセット扱いされるのが普通になってるという事実があります。

 

で、アメリカ側にはその文脈があるため、「(こんな大作が同時公開され、みんなの話題はこれで持ち切りな2023年夏は)忘れられない夏になりそう!」と言っちゃう気持ちは、まあわからんでもないというか、そりゃそっちにとってはそうよな、という気持ちにはなる。背景文脈が全然違うってことです。

一方で、日本にとっての夏、そしてそこに原爆が絡むとなると、忘れられない夏っていうのは8月6日の広島であり、8月9日の長崎であるのも、それはそうであり、「ジョークのネタにしないで」と思う気持ちは私は正しいと思ってます。どんな国にも茶化されたくない負の歴史はあり、そこを踏みにじられたときに怒る権利は私たちにはある。まして、原爆落としたのおたくですからね?っていうね。夏にウチらに何したか忘れたんか?ってなるのは、国民感情としては自然だと思う。

www.nikkansports.com

 

ただ、なぜか日本だけオッペンハイマーはおろかバービーも日本も公開されてなく、映画の中身を殆どの人が知らない状態だったので、日本が巻き込まれた騒動でありながら、ガワでしか判断できない状況だったのも良くなかったなと思います。

 

で、それで「絶対にこんな映画観ない、売上に貢献したくない」って人の意見も少なからず見たし、わかる気もするし、その行動を止めることはできないけど、私の見解としてはこれは不幸な事故の側面が大きいな...と思っています。SNS担当者はたしかに軽率で無神経ではあったが、その一言によって映画バービー製作陣全員が日本の原爆投下を軽んじてるといえるかというと、決してそうではないし、そもそもバービーとオッペンハイマーは共同プロジェクトではない。バービー観たいけどあの一件がな〜ともし引っかかってる人がいたら、私は胸を張って映画バービーをおすすめできるし、むしろ全体の議論に参加するためにも観てみるといいんじゃないかな、などと思ったのでした。

 

アジア圏での映画バービーの受け止められ方、一緒に観た韓国人やベトナム人の女友達と話したことなど

私と一緒に映画を観た韓国人の女友達いわく、「公開したばかりなのにすでに韓国のネットでは低評価がついてた!!韓国の男は本当にフェミニズムが大嫌いだから、だから低評価つけてる。...ってことは、良い映画ってことね!!!!!👍👍👍」と言っていた😂笑

まあでも日本のFilmarksを流し見する感じ、日本も似たようなものだよなと思う。ベトナム人の女友達も、ベトナムは未だに長男信仰があって女の子は望まれないとか、父親や祖父が家族の中で一番偉いとか話してくれて、バービー映画を通じてアジア各国の男女格差の話とかできたの興味深かったな。

当たり前ですが北米にもまだまだ女性差別ジェンダーにまつわる諸問題は依然としてあるし、意識の個人差もめちゃくちゃあるんだけど、じゃあこの映画バービーみたいな作品を私たちの国に作れるか?っていうと、まだまだ難しいよなと感じたりもするのであった。

 

最後に最近見て面白かった動画を紹介します。

www.instagram.com

中国で映画バービーがめちゃくちゃ流行ってる理由として、この映画が「ボーイフレンド・テストになる」っていう話です。中国では、映画バービーの鑑賞途中で席を立つ男性が多く見られたり、登場人物や監督の女性に強い不満や反発意見を持つ男性が見られたりして、そのことから、「あなたのボーイフレンドが映画バービーにどんな反応をするかどうかで、良い彼氏かどうかわかる」って言われてるんだってwww もし彼がこの映画の言おうとしてることを半分でも理解できてるなら、あなたの彼氏はまあ普通。でももしやたらと否定しようとするなら.....この話、個人的にはすごいわかると思ってます。

明らかなガールズムービーの世界観だし、ピンクのドレスコードで映画館に行こうムーブメントがもし日本でもあるとしたら絶対に女友達と行く方が楽しい映画だと思うけど(この映画にこめられたジェンダー論要素を、絶対に女同士の方が理解できるというのも含め)、あなたのボーイフレンドと観に行ってみることで、あなたの彼が、自分と同じ解像度で社会のことを見れているかが判明する良いテストになると思います。ぜひ一緒に観に行ってみてはいかがでしょうか?

 

 

いろいろ書きましたが、とにかくエンタメとして単純にめちゃくちゃ面白いし、一方でたくさんの社会問題を組み込んで練り上げた上質な作品でもあるので、鑑賞後に対話を生む映画だと思います。リカちゃん人形との比較とかも色々考えたんだけど、とりあえずこのへんで!

 

linktr.ee

marshmallow-qa.com