さよならだいきほ/雪組『fff-フォルテッシモ-』『シルクロード-盗賊と宝石-』ライビュ感想

だいきほ退団公演、雪組fff&シルクロードのライビュ、観てきました!

 

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まず『fff-フォルテッシモ-』はというと、観劇した方のレポブログなどをいくつか先に読んでいて、軒並み微妙な感想だったので、「すっげえつまんねえんだろうな〜www」と思いながら観たので、意外と面白かったです。笑

音楽を愛し愛された歌うまコンビで知られるだいきほの退団公演が、ヴェートーベンとそのミューズ(謎の女)だなんて完璧じゃないですか!そして2番手の咲ちゃん、3番手の凪様、4番手のあーさまで、当て書きみたいな配置で絶妙でした。THE退団公演ってかんじで、雪組をよく知らない私でも、あ〜これ多分雪組ファンの人うれしいんだろうな〜みたいな。

 

 

私はファントムで初めてだいきほを観て、その次に観たのがワンス、それで今回だったので、なんか全部「すごいけど孤独な変人と、手に入らない永遠の女」の構図で、おもしろかったです。だいもんさんってかっこよいビジュアルで、歌もうまく、大柄で華もあるスターなのに、なんであんなこじらせ童貞みたいな役上手いんやろ。

きぃちゃんはもう本当に素晴らしかったです!!私はファントムで初めてきぃちゃんの歌を聞いて、聞いて1秒で「歌うっっっっっっ…………ま!!!!!!!!!」と絶句した思い出があるため、本当にきぃちゃんの才能に惚れていたと思った。まぁるくて天使みたいな声質なのに、アッハハハハ!って高笑いが似合いすぎているし、トップスターに銃を向けるのが絵になりすぎ。

 

だいもんさんときぃちゃんはどっちも一人でも舞台に立てるスターだし、補い合うのではなく高め合う関係だったと本当に思うけど、それでも、ストイックな求道者であるだいもんさんにとって、きぃちゃんの出現は彼女のスター街道爆進をさらに加速させる何かだったのではと思ったし、なんか…そういう二人が役に重なるような物語で好きでした。あなたと歌えば喜びの歌!

そうそう、コロナ禍ゆえの演出、オケピの中に生徒が入ってオーケストラ演奏をするシーンめちゃめちゃよかったですよね!今しかできない演出だし、きっと誰もが思い出す、2021年という特別な年に旅立った二人のことを。

 

 

シルクロードは、事前に予習しておいてよかったー!と思うほど、”””文脈”””だらけのショーでウケました。

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きぃちゃんのラップが素晴らしすぎて超わくわくしました。ラップまで上手いのなんなんだ…

あと、ジャファーあーさ、もう出てきた瞬間に笑ってしまったけど、フェチが詰まっててよかったですね!私、あーさは今までいろんな役柄を経験することで引き出し増やして、顔だけじゃない舞台人へと成長したと思うけど、それでも、あのルックスとキャラにドンピシャの当たり役がきたら大化けしそうだなーってわくわくする。次からはきっと2番手だと思うので期待…!

 

宝塚で久々に2幕まるまるレビューって演目を観たけど、今回はストーリー性もあるし、スターの置き方も絶妙だしおもしろかったな!私、昔からセリフのないショーが苦手で(バレエ習ってたのに、バレエの舞台観に行くといつも寝てた)宝塚も一本もの+フィナーレショーの構成の方が好きだと思ってたけど、今回のfffとシルクロードの割合はばっちり好きでした。

 

次期トップコンビのさききわシーンで「僕のもとに来てくれ」的な歌詞があって、もうそれだけで涙腺崩壊や。相手役に迎えるために(ためにかどうかは知らんけど…)他組から呼び戻した背景と重なる重なる〜!

だいもんさんがさきちゃんに青い薔薇を渡してそでにはけるシーンなんて、あざとすぎる演出とわかっていても泣く。

 

あと、ショーのサビっていうんですか?メイン曲に「君の最後を僕が奪おう」みたいな歌詞があって、これってだいもんさんからきぃちゃんへの言葉だとしても映えるし、ファンへの言葉だとしても素敵で超いいなあ〜と思いました。板を降りると全然ラブラブしないだいきほだけど(だいもんさんのキャラもあると思うが…笑)、そんなだいもんさんが板の上ではきぃちゃんに激重感情をぶつけてるのが好きで、だいきほの特別性だなって思うのでした。二人とも生粋の舞台人で、舞台人としてのお互いを想い合い、リスペクトし合っているからこそ、命を賭けた愛の物語が似合う。よね。

 

サヨナラショーから最後の挨拶まで本当に愛が満ち溢れていて、あんなに「やりきった!!」って晴れやかな顔をできるのは、だいもんさんが本当にやりきったからだとめちゃめちゃ伝わってきました。トップになりたかった、と口にしたことがある人ってあんまり記憶にないので、もともとのスター性や実力やキャラもあっただろうけど、目標のために超努力した人なんだろうなというのもわかるから…。

きぃちゃんとの微妙で絶妙で特別な関係性も伝わってきていっぱい泣いちゃった。「一緒に走り続けてくれる相手役にも出会えました」なんてだいもんが言うと思わなくて、きぃちゃんが泣いてる姿を見てファンも大号泣や!!普段デレないひとのデレは心臓に悪い。

だいきほの関係性ってうまく言葉にしづらくて、いつもいろんな表現が頭に浮かんでは消えていくけど、結局のところだいもんさんが退団会見で仰っていた「一人では見られなかった景色を見せてくれた」ってことに尽きるなと思った。

 

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常に同じところを向いて一緒に戦ってくれた。手をつないで歩くっていうより、戦いながら走っていく感覚。自分一人では見えない世界が広がった。

 

私は宝塚を観始めたのが最近だし、だいもんさんを昔から応援してきたとかでもないので、だいきほを語る文脈の99.9%が「まあやちゃんはよくだいもんについてきてくれたなぁ」なのがいつも微妙に引っかかってて、なぜかというと単体で見てもきぃちゃん宝塚の中で一番歌上手いんじゃないか?と思うからです。

歌うまいね〜って思うひとは他にも何人もいるけど、でも、ファントムで歌うますぎて目玉ひんむいたこと、ワンスで二階席から裸眼で観てたのに、大量の娘役がいるシーンできぃちゃんが歌い出した途端に彼女がどこにいるかわかったこと、などなど、きぃちゃんの圧巻の才能をこの身で感じた瞬間が幾度もあって、こんなにすごいひとなのに、宝塚の文脈だと彼女はだいもんのオマケ情報に回収されちゃうんだ…というのが、私の脳内にある文脈とどうしても混ざらない部分があり。

もちろんきぃちゃんが宝塚に、娘役に、ものすごく憧れて入ってきた人で、入ってからも理想の娘役像に近づくために進んで努力した方ってのは知ってるんですけど…。

歌がうまいだけでなく表現力もずば抜けてるなあと思ってて、ファントムの過去作品を円盤で履修したときの何倍もクリスティーヌの感情が伝わってきたことも個人的な思い出としてはあるので、そういう意味でも、彼女は単体ですごい舞台人だったって思うのでした。

ファンはみんなだいもんさんを好きだから、そうなっちゃうのはまあそういう文化だからな〜って思うけど、でも、だいもんさんの挨拶の端端から、だいもんさんがきぃちゃんの才能をわかってて、伸ばしたこと、最後にきぃちゃんが一番欲しかったであろう言葉「私も大好きです」をあげたことなんか、しみじみ、よかったなぁ…なんて思ってしまいました。だいもんの理想のトップスター像、男役像を一緒に追い求めてくれる相手役であり、だいもんあってのきぃちゃんだったけど、なぜかきぃちゃんあってのだいもんだったとも思える、特別な関係性。

 

 ↑このエピソード好きすぎ

 

 

だいきほのいない宝塚が私にはまだ想像できないけど、でも、だいきほ二人とも「やりきった!!!」って思って、一番いいときに退団したんだなと思って、その美しさに圧倒されました。胸いっぱいの千秋楽でした。

 

退団後もいーーーっぱいミュージカルで活躍してほしいなぁと思います!!

すごい才能を目撃できて幸せでした。正真正銘の大型スターコンビだったと思います!

 

 

 

 

 

 

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最近の宝塚観劇日記。

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