宝塚版『1789−バスティーユの恋人たち−』を観ました(東宝版と比較した感想など)

東宝版1789を今年に入ってから3回くらい観劇しまして、これの感想もいつか書こうとは思っているのですが、先日ヅカヲタの友達に1789の話をしたら「宝塚版の円盤持ってるよ!」とのことだったので、映像ですが観てみることにしました。東宝版でマリー・アントワネットやってる龍真咲さんが宝塚時代はロナンやってた、ということだけは知っていたので(そういう巡り合わせがあるのが宝塚OGの良きところですよね。エリザベート一路真輝さんもそうでしたよね)一体どんなだったんだろう、というのは東宝版初観劇のときから思っていたので、観れてほんと〜に良かった!!

 

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は〜〜〜美しいビジュアルやな…それにしてもこの並びからしても次期トップがたまきさんになるとはだねえ〜〜〜

 

【誰も興味がない私の宝塚観劇履歴】

 

書き出してみて思ったけど3回しか観たことないのか。宝塚ビギナーです。

 

【この時点での私の月組1789に関する知識】

  • 東宝版でマリー・アントワネットをやっている龍真咲さんは宝塚時代ロナンをやっていた
  • 龍真咲さんは1つ前のトップスターの人で現在は珠城りょうさんがトップスターである
  • 愛希れいかさんという最強のトップ娘役がいる。最強すぎて、トップ娘役なのにトップスターの恋人役であるオランプではなくマリー・アントワネットを演じた
  • 美弥るりかさんというTwitterでよく見る人がいる

 

こんなもんでした。

 

 

 

〜感想〜

 龍真咲さんの輝きがすごすぎてロナンが貧しい農民に見えない

ワロタ。いや良い意味でもある!!東宝版観てからだったので、加藤和樹さんや小池徹平くんのボロボロなロナンのイメージがあったから、何回も衣装チェンジする上にどんどん鮮やかなビビッドカラーになっていくロナン、飢えと貧しさに苦しんでいる感がまったくなくて笑った。龍真咲さんの内なる輝きが溢れ出てしまっていた。足が長すぎる。監獄で拷問されているシーンもセクシーすぎて凄かった。これが宝塚のトップスターか……。

あと東宝版でアントワネットされてるときの龍真咲さん、声も高くて可愛いし歌も高音が伸びやかで美しかったので、ロナンの低い声びっくりしました。男役ってすごいねえ!!

 

 ペイロール伯爵がかっこよすぎる

これ自分的にも一番のびっくりポイントでした。東宝版ではペイロール伯爵になんの感情も抱かなかったのに!!物語が進んでいくにつれて、ペイロール伯爵がなんか言うたびにかっこよくて「はーーー!?かっこいいーーー!!!」って叫びまくりでした。星条海斗さん。愛称マギーさん。覚えました。こんなにかっこいい方がいると気づいたのにもう退団されてた。悲しい…。体格も大きくて、声も低く太くて、とにかく桁違いのオーラでした。出番はそれほど多くないけど彼女が出てきたときの存在感めちゃくちゃ凄かったです。これがスター性ってこと…?!歌もうまくてさ〜悪役がハマってた。観れてよかった〜!!

 

 美弥るりかさん、どハマり役すぎ

人気がある理由がわかったーー!!!なんだろう、流し目?すごすぎた。東宝版観たとき、アルトワなんてキモい陰キャラくらいにしか思わなかったんですけど(失礼)、美弥さんのアルトワは怪しい色気がドバドバ出ていて、ヴィランとしての存在感たっぷりで凄かったです。「私は神と同じだアポロンだ 私が語る言葉は天の声」という仰々しい歌詞がドンピシャ!!美弥さんのセクシーなルックスと相まってすごいハマり役だなあーと思いました。ペイロールをマギーさん、アルトワを美弥さんにしたの大正解だと思う。

美弥さん、よくSNSでお見かけするので認識していたのですが、次期トップになりそう感ありますよね??どうなんすかね??今回のアルトワで美弥さんはビジュアル系ダークヒーローがどハマりするとわかったので、彼女がエリザベートのトート閣下をしたら絶対に似合うだろうな〜と思うなどした。

 

 圧巻の愛希れいかさん

こりゃオランプじゃなくてアントワネットにするわ。するしかないわ。マリー・アントワネットの初登場シーン『全てを賭けて』の華やかさはさすが宝塚!!宝塚とフランス革命は親和性が高すぎる。ちゃぴさんは天真爛漫な娘役さんというイメージがあって(笑顔がキュートだからかな)、だからこそちゃぴさんのアントワネットが大人っぽくて高貴なお妃さま感があったのがすげーと思った。演技力!!歌もうまいし、ほっそいし、キラキラでほんとに可愛かった〜。退団されてからも東宝系のミュージカルたくさん出そうだなあ、楽しみ。

 

 

 珠城さん大出世なんだね

宝塚をずっとウォッチングしているわけではない人間からすると、「トップは龍真咲さんから珠城りょうさんになった」って情報だけ知っていたので、「たまきさん元々2番手だったのかな?」ってなんとなく思っていたんですけど、1789を観たかんじ、たしかにロベスピエールは良い役なんだけど2番手ではないな!?って思いました(そのあとの演目でそうだったかは知らないんですけど…)。でもさ〜〜〜、現トップだってわかりながら観てるというのもあるんだけど、清廉としたかっこよさと大きい体格がほんとーーーうにかっこよくて、たまきち…最高…って感じでした。1789だと男役2番手はデムーラン(凪七瑠海さん)なのかな…?わたしは東宝版1789でもロベスピエールの『誰の為に踊らされているのか?』が大好きなので、今回もこの曲の演出大好きでした!東宝版と振り付けとかは違ったけど、ロベスピエールのセンター曲(←w)って感じにときめきます。彼が一番目立つように考えられた構成がよい!

 

 顔がかっこよくて有名な朝美絢さんが三枚目の役だったんですけど

そうなの!?笑

しかも最初は仮装大会のシーンだったので顔もあんまり見えなくて残念だった。顔を見せてくれよ!!!笑 彼女の端整なルックスは本当に引きがありますよね。1度だけ生で観劇したことがあるのですが本当に顔がかわいくてキラキラだった。朝美絢さんがもっともっと上にいって、キラッキラの二枚目の役をしているところがいつか観たいなあ。

 

オランプどこいったん

終盤になるにつれてオランプが目立たない場所に配置されていくのがすごい宝塚システムで笑った。東宝版ではほぼ主役なのに!!!1789みたいにトップコンビがまったく絡まない演目って宝塚では珍しいんでしょうか?たまにはあるのかなあ。

早乙女わかばちゃん、ソーキュートでした。役柄的に、次期娘役トップなのかな!?ってわくわく調べたらもう退団されててちーーん。目が大きくて存在感がある。オランプの服もふわふわで可愛いよねえ。

 

 ソレーヌどこいったん

わたし東宝版1789で一番といっていくらいソレーヌというキャラクターが好きで、特に好きなソレーヌの歌『世界を我が手に』が宝塚版だとまさかの革命家たちの歌になっててかなり驚いた!!これは東宝版のほうがすきだなー。歌詞も、女の子を奮い立たせるような言葉が大好きだったので、これを男たちの歌にしちゃうのは酷いなあと思ったりもしたけど、これが宝塚ってことなんでしょうか。結構思い切った改変するんですね。でも『夜のプリンセス』はちゃんとソレーヌの曲としてあったのでよかった。

 

 1幕ラスト曲『声なき言葉』、マジでかっこよすぎて泣いた

これに関してはなぜ東宝版で入れなかったのか本当に謎!!(『革命の兄弟』とかを増やしたから尺の問題か?)でも本当に最高の曲ですよね!?わたし、このシーンで最初にぽろぽろ泣いてしまった…。

フランス革命って、民衆が権力を倒す話だからそもそもドラマティックなんですけど、「自分たちが明日の歴史を作る」「その日は必ずくる」って力強く輪唱しているのを観ながら、そうか私たちは今より良い社会を作るために働いているんだとか、愛する家族や恋人と幸せになるために生きているんだとか、そういう、日常生活で忘れがちなことを宝塚は思い出させてくれた……。

 

愛している 人の壁を乗り越えて 結ばれる日がいつか来ると信じたい 愛する恋人家族 人を幸せにできる日が来ると信じたい その日を その日は必ず来る その日は来る 愛する人を幸せにできる日が来ると 今この俺たちが歴史を変える

 

なんていい歌詞なんだ…人生でつらいことがあるたびにこの言葉を思い出し、何のために生きているのかを再確認したい……。カラオケ配信してほしい……。

あとこの歌で一瞬マリー・アントワネットが出てくるところも好き。「恋の喜びも葬った」って歌詞、マリー・アントワネットの気高さと美しさと儚さを悲劇性を全部内包しているようですてきですね。1789はマリー・アントワネットが主役に見えたり敵に見えたりするのが凄いつくりだなあと思います。フランス革命はいろんな立場のひとが必死に生きた証でもある…。あと、革命家が3人でポースきめるところもかっこよくて好きです!

 

 子供の役を大人がやってるの面白い

宝塚の伝統芸能のひとつなんだろうな。

 

 NEWSの手越くんに似ている人がいる

フェルゼン伯爵、手越くんにめっちゃ似てるな?!って思いました。笑 暁千星さん。歌がうまいところまで手越くん風や…。

 

 凪七瑠海さんを覚えた

2番手さんなのかな?と思って調べたら現在は専科なんですね。愛称が「カチャ」なのめっちゃかわいい、呼んでみたい。声が個性的でよく通るのもいいな〜と思います。ただ顔がめちゃめちゃお姫様顔じゃないですか!?かわいい!!娘役もできるんじゃないかなとか思って調べてたらエリザベートをされたことがあるらしい。めっちゃ似合ってた。彼女がトップスターになる未来もありそうなので、これを期にカチャさんを知れて良かったです。マリウス葉くんの親戚らしい。

 

 ポリニャック夫人がエトワールだったのなんかわかる

憧花ゆりのさん。綺麗な名前ですね。「昔しょうこおねえさんがやっていた」という知識で、宝塚のフィナーレでは歌がうまいひとがエトワールという役どころをされるというのは知っていたのですが、ポリニャック夫人をしていた娘役さんがされていたのなんかすごいよかった。ポリニャック夫人は確かにマリー・アントワネットがフェルゼン伯爵に会いに行く前に「パレロワイヤ〜〜〜ル♪」とオペラみたいに歌うシーンがあるので、脇役とはいえ歌がうまいひとにしかできない役なんだろうな。憧花ゆりのさん、いまこれを書いている12時間前に退団を発表されたそうです…!最後はエリザベートゾフィーとのこと。ぴったりやんけ…。

 

 ラスト曲『悲しみの報い』は宝塚版の演出も好き!

色んな立場の人が一緒に歌うミュージカルナンバーが好きなので、東宝版を観たときから本当に好きな曲でした。宝塚版の舞台が回る演出、すごくいいと思った!ロナンがくるくる踊りながら全員の間を歩むのはロナンの主人公感がよく出てると思った。真っ白な衣装の龍真咲さんの輝きが凄すぎてもはやロナンかこれ???感はあったんですけど笑 あと、東宝版ではマリー・アントワネットは処刑前の格好で出てくるのが切なくて本当に良い演出だと思ったんですけど、宝塚は華やかさ優先なのかな?でも宝塚だしドレスで終わるのがやっぱり良いよね。革命家3人が歌うところも好き。

 

 死ぬ前に見る走馬灯のようなフィナーレ

これが…宝塚の「フィナーレ」…!!笑

ララランドの感想で、「ラストのミアとセブが踊り出す幻想のシーンは、宝塚だとよくある」みたいなのを拝見したことがあるのですが、このことかーー!!と思いました。なんだろう、パラレルワールドみたいだった。夢みたいなフィナーレだと思った。

最初に美弥さんがキラッキラの服着て登場したから何かのバグかと思いました(違った)。このギャップよ!!そして龍真咲さんがバチーーン☆てウインクするところで叫んだ。

そして、各主要キャラクターが自分のメイン曲の現代アレンジ版を歌いながら階段を降りてくるところ、ほんっとーーに良かった!!感動!!たまきさんの「誰の為に踊らされているのかよく見極めろ」、美弥さんの「私は神と同じだアポロンだ」、カチャさんの「今こそこの世界を我らの手におさめよう」、ちゃぴさんの「許されぬ愛だと知りながら諦めることなどできない」が続いて、最後に龍さんの「巡り会うことが宿命ならもう逃げない」につながるの、なんだろう、上質なMASHUPを聴いているかのような胸の高鳴りがありました。最高にかっこいい!!これは宝塚にしかできない演出だなー。

 

 

 

そんなかんじで、すごく面白かったです。東宝版にも宝塚版にも、どっちもの良いところがありますね!!同じ人が演出してるのにこんなに違うのかという驚きもあって、ますます宝塚に興味がわきました。今度の月組エリザベートも、東宝版しか観たことないので、宝塚だとどういう演出になっているのか興味があります。チケットの取り方を誰か教えてください…!笑

1789はトップ娘役がオランプをしても成立するような演目だと思うので、他の組他のキャストでしているところもいつかまた観てみたいなと思いました。宝塚って序列萌えみたいなとこもあると思うので、そういう視点からキャスティング分析できるのも楽しいですよね…。

 

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おもしろかったー!