その手を離せるか/舞台『ギヴン』感想

何から話せばいいのか……

 

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【もくじ】

 

とりあえずキャスト感想。

キャスト感想

初舞台で初主演、そして一発目のセリフが「寂しくないよ」から始まる大役だった有馬くん。なんかほんとにもう、歌がうまいから選ばれたんやろうなあ…としみじみ伝わってくる、人の心をガンガン揺さぶる歌声が印象的でした。そしてなんといっても、立夏を落としたのもうなずける魔性の男感がすごい。有馬くん自体がなんかこう、ノンケの男の子が彼を見てドキッとしてしまって「今なんで俺ドキッとしたんだ!?」って焦ってしまうような雰囲気を持っており、間違いなくはまり役だった。声がきれいで、ためらいなく”かわいい男の子”のしぐさができて、けど肝が据わってる感じ。よくこんな子おったなぁ。

 

似すぎて本当にびっくり。顔、しゃべり方、たたずまいまで何もかも立夏すぎた。一人だけバンド経験者ということもあり本当に澁木くんが参加してくれてよかったなーと思ったし、それでも、自分が引っ張るというよりはみんなを支えたいってスタンスでいたことがいろんな言動から伝わってきて人柄が見える感じがした。等身大の高校生の男の子っぽさに違和感がなく(実年齢びっくり!)、「あいつの声聞いてるといたたまれないんすよ!!」に象徴される、音楽と恋心が絡まりあって加速するこの作品のアクセルみたいに稼働してたひと。真冬を好きになるまでの過程が見ててわかったし、キスシーンほんとかっこよくてどきどきした。

 

本人の中性的な雰囲気に春樹の役作りも引っ張られてるような気はしたけど、ギヴンが好き、そして秋彦が好き!をこれでもかと伝えてくれた須永くん。私がタケちゃん役のまさくんをそもそも好きっていうのもあったけどタケちゃんとのシーンいちいち好きだったなー。

 

本当によく秋彦でキャスティングしてもらったなと100回くらい感謝したひと。悪い男っぽい三白眼に骨格からして普通の人とは違うかっこよさの持ち主で、さらに背が高くて金髪も似合うという、何から何まで秋彦できてくれて感謝でしかなかった。もともと川上くんのかっこよさを知ってたので、そんな彼が「別れた恋人と今も暮らしてて関係性に行き詰まている、男にも女にもとにかくモテる色男」の役を演じると知ったときは衝撃でしたが、そのときに「見たい!!」と思った直感は正しかった。カテコの挨拶を秋彦だけ雨月とあわせてクラシックの人のお辞儀にしてたの、意図的だったんだろうなあと信じる。

 

どんなに言葉を尽くしても多分うまく伝えられないと思うが、舞台ギヴンの公演期間私はずっとつらくて、そのつらさは「今この世のどこかでしょーごくんが雨月を演じているという事実に耐えられない」というよくわからないいたたまれなさだった。しょーごくんのクールな美貌とつかみどころのない性格がこれでもかというほど雨月にはまってて、もはや見てて怖かった。板の上に立つしょーごくんを見ながら私はずっと不安で、でもそういう「見てる人を不安な気持ちにさせる力」こそがしょーごくんの持つ才のひとつだと本当に思った。川上くんとはまた別の文脈で、芸能の世界に入るしかなかったひとという感じがする。あまりにも見てて苦しく、そしてその美しさにずっとどきどきしていたので、「神様ってこんな顔してるのかな」と本気で思った。

 

タケちゃん、柊としずちゃん立夏のクラスメートまでみんなうまくてかっこよかった!

 

キヅナツキ先生の世界観は苦しいと思う

私はそもそもこの作品が「好き」かといわれると即答しかねるという話はずっとしていて、でも今観なきゃいけないと思う理由がいくつかあって歯を食いしばって観ていた。自分でチケットを取ったくせに「見たくねえ~」って言いながら見たの、ミッドサマーかギヴンくらいである。

作品のストーリー自体に関する感想はこちら。

aonticxx.hateblo.jp

私はそもそもしょーごくんが好きだからこの作品に興味を持って、原作のアニメを見て案の定雨月を好きになった*1という経緯があるため、私は好きな人が傷つく瞬間を何回も見る羽目になってしまった。単純にそれがつらかったし、しょーごくんがそれを立体的に演じることでつらさは膨らんだ。

 

が、舞台を一緒に観まくってくれた友達はもう10年前くらいからキヅナツキ先生の作品を読んでおり、「初めてキヅナツキ先生の作品を見たからそんなにびっくりしたんだと思う。あの人は本当に昔から、三角関係とか、昔の男がいるとか、好き同士だけど別れるとか、そういうのばかり描いてる人」というありがたい解説をしてくれて、その話を何か月もしてるうちにちょっとずつ心の整理ができてきた*2

改めて考えてみると、私は恋愛もののフィクションで「別れる二人」を今までほぼ見たことがないと気づく。たとえばディズニー映画に出てくるカップルはほぼ全員がlive happily ever afterだし、愛の不時着みたいな運命の大恋愛ドラマが好きだし、そして(ギヴンのような)男の子同士の恋愛ものでいうと二次創作を見る機会のほうが多くて、そして多くの場合二次創作はそもそも「その二人が恋してるところを見たい」欲求が具現化した作品を見るので、だいたいその二人は付き合ってるか、今付き合ってなくてもそのうち付き合う。

よって私は、「好き同士だけど別れる二人」とか「今Aさんと付き合ってるけど別れてBさんと付き合うことになる人」とかを、フィクションの中で目にすることがなく、それで、まったく耐性がなかった。思い起こせば、ラ・ラ・ランド全然好きじゃない派の人間だった。

が、このあたりがキヅナツキ先生の美学というか世界観というか、描きたいことなんだと思う。キヅナツキ先生は永遠に普遍の愛とかよりも、関係性が変化する瞬間を描くのが好きなのかもしれない。「別れる」という最大瞬間風速のときにだけ生まれる一瞬の爆発的な感情を描きたい人なのかも。しょーごくんも「原作の漫画読んだときに、綺麗な絵やけど地べた這いつくばるような人間の感情が描かれてるから、キヅナツキさんがどういう人生を送ってきてこんな話を描くのか気になってギヴン以外の作品もいろいろ読んだ。表には出さないけど挫折した経験とかあるのかもしれんし…とにかくキヅナツキさんの頭の中を知りたくて色々読んで、逆にギヴンを読めなくなった」みたいなことを言ってて、その思考の言語化センスにも脱帽したけど、でも、言いたいことはすごくわかる気がする。

そもそも由紀ー真冬ー立夏の関係性も「昔の男がいる男」ではあるのだが、春樹ー秋彦ー雨月の関係性は現在進行形であるというキツさがあり、さらに、ぶっちゃけて言ってしまうと「攻め側に昔の男がいる」っていうのが新鮮すぎた。もー!!

 

かくして私は「別れることで完成する関係もあるよね」派の人の美学を無理やり脳に流し込まれ、脳みそぐちゃぐちゃにされ、こうして舞台終了の3か月後にちまちまと感想を書いているのであった……

 

何が苦しいかって無関係ではないと思ってしまうこと

BL作品は女の子が「部屋の壁(=完全な第3者)」となって楽しめるもんだとずっと思って生きてきたのに、こんなにつらいのは私が感情移入しすぎたのもあったと思う。その感情移入の8割は、しょーごくんに対する行き場のない気持ちだったと思うが、2割は、この作品の描くテーマがわりと人間に普遍的な、「人生は進むしかなく二度と昔には戻れない」「人の気持ちは自分では変えられない」「手が届かないほど才能のある人はこの世にいてそれは自分じゃない」みたいな、そういう、自分が人生の中でどうしようもなく苦しいと思った経験と無関係ではないと思ってしまうからだった。

実際のところ、ギヴンに出てくる男の子たちは私の人生とはまったくかすりもしないはずだけど、でも彼らが持ってるものに私が憧れたことがないかというと噓になってしまう。誰かのことを死ぬほど愛したり愛されたりする経験とか、才能と努力で順位づけられる世界で結果を出した経験とか。そういうのと無縁な世界で生きてきて興味もなかったなら他人事だけど、私の場合は人生の中で、なんでこんなに人との関係の構築は難しいんだろうかと思ったり、この世の誰と比較したって自分に優れてる部分なんてないと思ったり、そんなことの積み重ねでしかなかったし、そういう、本当はコンプレックスに思ってるけど普段見ないようにしてどうにか生活してる部分をぐさぐさ刺されてる気持ちになった。

そしてそれを生身の身体と過去をもつ俳優さんたちが演じることで、彼らはフィクションの登場人物ではあるけど彼らの向き合ってることって現実に重ねても起こりうることなんじゃないか?っていうのを実感としてすごくすごく感じてしまったというか…。役者陣も同じようなことで悩んだこともあるかもしれないし、でも私と同じようなことを悩んだことは多分ないのではないかと思ったり。役者陣はギヴンのキャラクター寄りのひとたちなんじゃないかと思って、その距離感…ていうか、(自分との)溝?みたいなものが可視化されているように感じる部分も個人的にはあった。

これ以上はうまく書けない。

 

ストーリーに話を戻します。

 

その握った手を離せるか、あるいは、何があっても手を離さない努力をできるか

ギヴンを観てる期間ずっと頭の中にあった概念。ちょうど映画ディアエヴァンハンセンも観てた時期で、この映画はまさに「その手を離さないと覚悟を決めた瞬間」が描かれた作品だったと思っていて、ギヴンはその逆の概念、「その手を離すと決断できるか」を描いた作品だったなと思ったのだった。

私の個人的な癖の話になってしまって恐縮なのですが私は幼なじみor兄弟萌えの因子を持っており、一生一緒にいることが確約されてる二人組を好きになりがちという傾向がある。それはそれで、そういう関係性が現実にはないと知っているから。もしくは、「運命に引き裂かれかけた二人がどうにかして一緒になる未来をあきらめない」みたいな話が好きで、それも、「ずっと一緒にいてほしいなぁ~」という憧れからきてるんだと思う。

雨月と秋彦に課されていた「その手を離せるか」という主題は、二人にしかわからない痛みがあったと思うけど、でも、なんていうか…そのつらさって単なる「失恋」って単語より解像度の高い痛みだ。好きな人が違う人を見ているという寂しさ、楽しくて幸せな時期があったことをお互いに知っているからすっぱり離れられない惨めさ、自分の好きと相手の好きの量も形ももう同じではないと気づき始めること、どれだけ肌に触れることができても相手の心には触れないともうわかっていること、自分はまだこの場にとどまっているのに相手が一歩踏み出そうとしたときに引きずりおろしたくなるどす黒い気持ち、一生この人以外好きになれるわけないと思っていたはずなのに、別の人といる自分の未来が浮かんでしまったときの言いようのないショック…など。

キヅナツキ先生にとってはそういう、恋愛感情で私生活がぐちゃぐちゃになる感じが恋なんだと思うし、その側面ってたしかにあると思う。毒になるか紙一重みたいな感情でもあるけど、でも、熱量のままにめちゃくちゃなことができてしまうのも、恋愛感情ならではなはず。

なので私は秋彦の「諦めたい、諦めたくない、…触りたい…」っていう独白が泣いちゃうくらい苦しくて好きで、人を好きになる苦しさが凝縮されてる言葉だなぁと思うのであった。

一生に一度の恋だとお互いに思ってる相手を手放す苦しさって一筋縄ではいかないし、それでも秋彦と雨月は「一緒にいることがお互いによくない」ってお互いにわかってて、あとは手を離せるかどうかだった。その経緯で秋彦は自分が他の人を好きになれる可能性に気付いて、大変悲しいことに、どちらかというと執着し続けていた秋彦側が先に一歩世界の外に足を踏み出すことになり、結果的に雨月がめっちゃ傷ついてしまうのだけど、それでも、雨月があんなに泣きながらでも秋彦の手を離せたことは、こうするしかなかったし、人生の中にはそういう瞬間もあるっていう苦しさを、とりあえずそのまんま受け止めようと思う。

しょーごくんが舞台上で本当にボロボロ泣きながら演じていたので私は感情が無くなるほどしんどかった。しょーごくんのよくないところであり最大のよいところは、そういう、普通の人があんまり経験しないようなめちゃくちゃな重い感情によって大変な目に合う美少年の役がはまりすぎてしまうってとこであって、あんまりにも似合っているので私は苦しかったけど、でも、しょーごくんがこの役を演じるところを見れたのは本当に貴重な経験だった。私はしょーごくんにはこういう、現実にはいない役をもっとやってほしいと思います。

 

衝撃だったんだけどしょーごくんはギヴンの原作で雨月を見たときに「俺やん」と思ったらしい。普通、村田雨月を見て「自分みたい」って思う現実の人間はおらんのよ。先日のアンコールイベントで共演者の方々もしょーごくんは雨月そのものって言ってた。川上くんが「表はゆるゆるしてて中身はつかみどころのない感じまさに雨月」って言ってて、しょーごくんも「原作見たとき俺に似てるなあと思った。あんま考えてること言わへん感じとか、深いとこで自分ひとりで解決する感じとか」って言ってて、とんでもねぇな…と思った。でも、現実におらんわこんな男!をなぜか現実にいる男の子が完璧に演じちゃう瞬間を目撃できるのが2.5の醍醐味だと私は思うので、そういう意味で、ベストキャスティングと思える舞台を見れたのは幸せだった。一生忘れない。

 

そして聖地巡礼へ…

私はなんで秋彦が春樹を好きになったのかいまいちわからんなぁと思っていたのですが、まあ、「誰を好きかより、誰といる自分が好きか」ってことなんだろうなーと納得しておりました。そして舞台ギヴンロスになった私は聖地巡礼の地、登戸へ向かうのであった。

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スタジオ練習が長引いて終電を逃した春樹と秋彦が歩いて家まで帰り、多摩川の河川敷を歩きながら朝日が昇り始める…というシーンがあるのですが、実際に登戸まで行き河川敷を歩いてみたところ、この情景のむせかえるような切なさとなつかしさに「こりゃ、好きになるわ……」と魂が納得しました。

フィールドワーク、大切。

雨月とは地下室でずっとふたりぼっちみたいに暮らしてた秋彦が、この河川敷を春樹と歩きながらふと空を見たときに一気に自分の感情がばばばーって変わっていくのに気付いた瞬間、怖かっただろうな。でも、もう戻れないって悟っただろうとも思う。クラシック畑出身でバンドもこなしてた秋彦が、自分は誰といるときに音楽を好きでいられるかって観点で人生を立て直したのはすごい根性だと思う。でも、そういう、「誰かを好きになることで自分の判断軸が変わる」みたいな経験も、そういう恋愛をしたことのある人にしかわからない感覚なんだろうとも思った。

 

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ちなみに、秋彦と雨月が別れ話をした場所も神泉にあるとのことで訪れてみた。最悪の聖地巡礼かよ。以後、私は神泉に行く用事ができると具合が悪くなるように…

 

これからどうしよう

1週間、命を燃やして劇場に通い、「つらい」って1日300回くらい言って、いっそ早く終わってくれとうなり続けてて、マジで正常な私生活が遅れないほど苦しかったので、終わってからは解脱して、しょーごくんのことをこれ以上好きになると人生に支障が出ると思い情報を遮断するなどしていた。こういうわけのわからん苦しさを抱えながら何かを追うのは久しぶりで、「恋心と信仰心がごちゃまぜになっとる」と友達に指摘されましたが多分そんな感じだったと思う。だが、何かを見てそこまで心がねじきれるような気持ちになることってあんまりないので、結構良い経験だった。どうせ何かを見るなら感情が動くものを見たほうがいいよね。

 

最後に、公演期間中にしょーごくんがあげていた美しい写真を未来の自分のために残しておき、感想文を終わりたいと思います。

 

刀ミュ雨さんのときから思っていたが、本当に稀有な目のかたちだと思う。

 

ブルベ冬だろうな…

 

フォロワーが「宗教画か?」と言っていた。スウェット姿なんて簡単に見せていいものじゃないんよ。しょーごくんの特別な目のかたちがすきだと思っていたけど、改めて、輪郭がすきかもとおもった。この完璧なEライン!

 

しょーごくんも川上くんも、こんなにかっこいいのになぜかTwitter営業の才能がめっちゃあるため、こんな写真をUPしてくれたときは気絶した。この、目は合わせないけど離れがたい感じ、秋彦側が複雑に思ってて雨月は何考えてるかつかめない感じ、よくつかんでるよなあ。二人とも本当に当たり役だった。

この二人のラブシーン、初見だと自己嫌悪に陥る*3ほどすごかった。どきどきしたし、見れてよかったし、なんていうか、本質的だった。二人の役者魂に感謝です。

 

世界一黒スーツ似合うで賞、二人にあげたい。ちなみに二人が同時に黒スーツを着るシーンはないため、このために揃えて着てくれたんだと思うとじーん。

 

しょーごくん、笑ってないときの顔が冷たいのではなく美しく見えるお顔立ちなところが好きで、刀ミュでは笑ってないとこを見るとこのほうが多かったから、笑った顔もめちゃくちゃきれいでびっくりしちゃう!

 

まさくんへ。その気持ちわかります。私より。

 

しょーごくん、公演期間中、ピン写か、秋彦or真冬(雨月が作中で会話するのはこの2人だけ)とのツーショしかあげてなくて、しょーごくんのセンス…と思った。世界観を踏襲してるというか、Twitterにいるのはしょーごくんのはずなのになぜかずっと雨月の寂しさを感じてた。

 

しょーごくんのこういう感覚値を私は好きになったのかもしれないな。

 

 

おわり。

 

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*1:そもそも雨月みたいなキャラを好きになりがちだからしょーごくんを好きになったのかもしれない。卵が先か鶏が先か…

*2:別の友達にも言われた。おかげさまで、ヘタリアと黒バスのお宝同人誌を拝読する機会を得ました

*3:金払って、こんなことさせたいわけじゃないよ…という、謎の病み

ときめきが山ほど詰まったTHEディズニーミュージカル!/ミラベルと魔法だらけの家 感想

『ミラベルと魔法だらけの家』、大好きだった〜〜!字幕吹替両方観ました。個人的に吹替もGOOD!

Encanto -The Songs : ミラベルと魔法だらけの家 | HMV&BOOKS online - 8749507

 

なんか文句なしに100点!ってかんじの感想なんですけど、これ、話のメッセージに共感とかじゃなくて、ときめき要素(言い換えちゃうと”萌え”要素)がてんこ盛りだからこんなに好きなんでは…と思わなくもない。でもでも、ストーリーも好き!

 

だって、「みんながそれぞれ違う能力を授けられた一族」って設定がもうときめく。その中に一人”名前を言ってはいけないあの人”的な失踪した叔父さんがいる、というのも、主人公は唯一、能力を持たずに育った子っていうのも少年漫画の王道設定みたいだ。それぞれの能力に関連した風景の個室があるのもわくわくするし、そもそも”奇跡”のモチーフが1本のロウソクだったりと、ビジュアルで魅せる独特の世界観が超いい。兄弟姉妹モノとしてもきゅんとくるシーンが随所にあるし、一族の長であるおばあちゃんの壮絶な過去設定も、なんかすごく少女漫画ちっく。

そう、なんか、設定が漫画っぽいのだ。そしてそれをディズニーの最高峰の音楽と映像美で表現されているので、ときめき大爆発な世界観!!って感じだった。

 

音楽は私が去年一番聴いていた*1リンマニュエルミランダさんなので、もう本当に全曲良すぎ!!ラップ要素もたくさんあって耳に残るキャッチーな楽曲ばかり。最近ずっとミラベルのサントラを聴いてる。

特にお姉ちゃん2人のソロ曲はどっちもよかった〜〜!浅はかな私は最初、この家族何か抱えてそうってなったときに「ムキムキのお姉ちゃんは実は可愛いものが好きで、可愛いお姉ちゃんは実はもっと泥臭いものが好きとかかな」とか思ってたのですが、本当に浅はかすぎました。笑 まあ、今時そんなだとtoo typicalよね…

 

まず次女ルイーサの『Surface Pressure』


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まずもうこのキャッチーな曲調が好き!そして”drip drip drip”とか"tip tip tip"みたいに同じ音を3回重ねるフレーズが何回も出てくるのが聴いてて心地いい。ここ、吹替でも「ズンズン」「パンパンパン」みたいにうまく日本語で音がハメられてて吹替歌詞も気持ちいい!

 

ルイーサのこの曲で、あ〜この映画ってこういう話になるのかあ、と一気にわかるのですが、つまり、ミラベルは自分だけ奇跡を授けられていないことで疎外感や焦燥感をずっと抱えている…というのが主人公サイドの抱える問題なのですが、なんとこの映画ではスーパーパワーを授けられた人は常に完璧でいないといけないというプレッシャーを抱えている、という構成になっているわけです。これって、夢と魔法の王国ディズニーの生み出す物語としては逆説的で、そこがおもしろいなー!って思いました。なんの疑問ももたずに魔法の力を使いこなすのがディズニーヒロイン!みたいなとこあったからさ…

「人の役に立っているから私は生きている価値がある」「何もない私には価値がない」みたいに考えてしまう現象って何か言語化されてそうだけどぱっと思いつかない… けど、あーこういうこと思うひとって多いだろうなと思ったし(自分もこういう考えに陥って病みがち)、ルイーサの「タイムリミットが迫ってるという感覚」っていう視点は最近私が好きな概念のひとつなので、すごく印象的でした。

意外や意外、ゆめっちの吹替歌唱も上手いのよ!

 

長女イサベラは、ラプンツェルとエルサのセルフオマージュみたいなキャラで、お姫様のように可愛いルックスと女王様のように強気な性格が最高!体が大きいのはルイーサの方なんだけどお姉ちゃんはイサベラっていうの、すごいわかる。三姉妹の長女ってこう!笑

そんなイサベラの曲は『What Else Can I Do?』


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テーマとしてはSurface Pressureに似てるけどもっと前向きな気持ちで「もし完璧じゃない生き方を選べたら?完璧じゃなくても私は私!」とのびやかに歌ってくれて、もうこっちも最高の一曲!私は大号泣しました。笑

オレンジイズニューブラックでおしゃまなラテン系囚人をやってた女優さんがイサベラ声優と知って嬉しかったー!吹替版も、平野綾さんの可愛いお姫様みたいな声がぴったり!!

 

現実世界ではミラベルのように「自分だけ何もできない、役にたてていない」って思ってしまうシチュエーションの方が多いし、実際会社勤めしてると「生きてるだけで価値がある、あなたはあなたであるだけで素晴らしい人間!」とはいかないよな〜って思うので、ミラベルの孤独や焦燥感には胸が痛くなる。イサベラやルイーサのように「完璧な私でなくても私は私!」って言ってそれが素晴らしいことに聞こえるのは、その人がほぼ完璧な人だからであって、実力不足の人が「完璧じゃないけど私は私!」って言っても意味はないのがつらいところ。アメリカ人って「あなたはあなたであるだけでスペシャルな存在」とか言われて自己肯定感高く育てられるイメージだけど、やっぱりそれって建前だよな〜ってみんな思ってるのだろうか。

 

そして私が大好きな『We Don't Talk About Bruno』


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私は、ミュージカルの登場人物がたくさん出てきて一気に状況説明してくれる楽曲が本当に好きなのでとても刺さった…曲調もいいし歌詞もガチガチに韻踏んでてかっこいい。なんと、吹替歌詞が「ブルーノ」にかけて「聞こえてくるの」「あなたわかるの?」って語尾で踏んでるのだ。すごい!訳詞考えた人のセンスを感じる。

みんないいんだけど、特にドロレスの声質や歌い方が耳に残る感じですき。「ずっと夢見た人は他の人を愛してると声がするの 彼の呟き今聞こえる」の吹替パートが本当に可愛くて好き!ドロレス、終始お目目ぱちくりで本当にキュートなキャラ。この歌詞が終盤の伏線になってるのもいいんだよな〜。

街の人がブルーノに言われてこんなことがおきた!って言ってる内容が軽すぎて(太るだの髪が抜けるだのw)、ブルーノおじさん…悪い人じゃないんじゃね…?って予感させるのもいい。

 

まるまるひとつの楽曲(Dos Oruguitas)を使って明かされるおばあちゃんの過去。故郷を迫害された歴史。愛する人は自分たちを守るために命を落としたこと。幼い三つ子を抱え、一人で本当にどうしたらいいかわからなかったこと。おばあちゃんに与えられた”奇跡”は、「やり直すチャンスを与えられたこと」だったということ……作中、おばあちゃんがあまりひどい人に見えないのはこの曲の見事さだよなあと思います。この1曲で、おばあちゃんがなぜあんなに完璧な家族を維持することに懸命だったのかがわかってしますう。

家族の”奇跡”の行方を握ってるのはミラベルじゃなくておばあちゃんだったんだね。それを導き出したのが、家族で唯一”奇跡”をもたないミラベルだったという物語の帰結は本当に美しいと思いました。


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全然関係ないけど、インザハイツを履修していたおかげで、一族の中でアブエラと呼ばれる人はただ単に血縁状の祖母ってことじゃなく、みんなの精神的支柱、的な意味合いもあるのだろうなと思えたため、それでミラベルにいじわるというより、厳しい人って印象のまま私は見れた。

 

全員歌唱曲でこれも大好きな『All of you』


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ここもドロレスの「あとは私がやるわ」からのパートが耳に残ってすき。作中あんまり3人でいるところが映らないイサベラ・ルイーサ・ミラベルの三姉妹が一緒に色々やってるのが可愛い。てかそもそもブルーノが気まずそうに現れて間髪入れずにぺパとフリエッタが駆け寄ってハグするのがいいんだよ〜!兄弟っていいものだ…

私はこの曲で街の人たちが来てくれるとこでおいおい泣いてしまって…… 完璧な私じゃなくてもいいの?の、大いなるひとつのアンサーですよね。おばあちゃんは完璧な一家じゃないとこのENCANTOから居場所はなくなってしまうと思っていたけど、街の人は力を失ったマドリガル家にも手を貸してくれる。完璧じゃない人間同士だから手を貸しあって生きるのが社会人人生だったりするよね……

 

魅力的なキャラクターと世界観と楽曲で、2時間ずっと幸せな、これぞ!ディズニー!!というものを久々に観させてもらったな〜と思います。カシータ(みんなが住んでる家)、パークでアトラクションになって欲しすぎる… まずはフロートでマドリガル家みんなでわっちゃわっちゃしてるところ見たい!!

もう1回くらい映画館で観たいな〜

 

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*1:インザハイツのサントラを死ぬほど聴いたので

抵触しちゃいけないラインの話/ミュージカル忍たま乱太郎12弾まさかの共闘!?大作戦!!感想

忍ミュ12弾観劇しました!

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初日も観劇したのですが、普通に客席に尼子先生がいらっしゃっててたまげました。笑

 

11弾での六ろ主演脚本がすごくよかったので、待望の六いメイン回!と思ってすごくすごく楽しみにしてた(私は忍たまの全キャラの中で六いが一番好きです)。で、実際に観劇してみて、確かに六いの六いイズムとしてすごく完成度高くて好きだったんだけど、もはやこれは土井先生メイン回といっても差し支えないのでは…と思うほどに土井先生回で、こんな話2.5次元でやっちゃうなんて(良い意味でも悪い意味でも)なんか…すごいな…これが忍たまか……ってのが最初の感想でした。

 

土井先生の過去がついに明かされた12弾!

土井先生の過去に関しては落乱50巻で「法然上人をモデルにしている」「福原の豪族の生まれだが子供のころ家が滅ぼされて天涯孤独になった」「仏門に入って修行と勉学に励み、その過程で忍術や兵法を身に着けた」ということが説明されているのと、アニメ忍たまで「19歳のとき抜け忍になって追われているところを山田先生に助けてもらう」ってことまでは公式に出されていたので、わりとファンの中でどういう経歴をたどっていま忍術学園にいるかは共通認識としてあったと思うのですが、今回の忍ミュで多分誰も想像してなかったであろう、「赤ん坊の時に家が焼かれてる」「家を焼いた当人である忍者たちに拾われ抜け忍になるまでそこで育てられた」という設定であることが判明し、私の第一感想としては「そうやったんかい!?!?!?!?!?!」と思いました。笑

 

ぶっちゃけて言ってしまうと「仏門に入ってた設定どこいった!?」ていうのと「赤ん坊のときに家を焼かれて”夜霧”って名前で育てられたなら”土井半助”って名前どこからきたん!?」ていうのとかがあんまり説明つかない気がするんですが、カエンタケ忍者隊の人たちが「念仏ばかり唱えている腰抜け忍者が!」「お坊さんにでもなったほうがよかったんじゃないのか!?」っていうセリフがあったりしたので、微妙ではありますが「カエンタケに所属しながら仏門に通ったりした時期もあったのかな?」と思えなくもないシーンが挿入されていたようにも思い、なんとなく尼子先生の中では辻褄合うようになってるのかも…しれません。落乱は歴史が長いだけあって、後付け設定もたくさんあるので、このあたりも先生が今回改めて作ったのか、前々からそう考えていたのか、気になるとこではありますが、もう少し時間がたてばこの設定も違和感なくなるのかなー。

 

それにしても、土井先生の生い立ちを語るうえで絶対に欠かせないのがきり丸の生い立ちとの相似性だと思うのですが、きり丸同様家族がいないっていうことは明かされていたものの、土井先生を育てた人(鵺さま)も家族のいない人だった、っていうのはなんか考えさせられるというか……。そして土井先生、この育ち方でなんで根が善人なのか…なんかこう、落乱ってキャラクターによって過去の設定が決まってる(というか公開されている)度合いにかなり差がある中、土井先生だけここまで詳細に語られてるっていうのは、彼の人気の高さであり、キャラクターの奥深さであり、なんやかんや特別なキャラだよねって思います。

 

山場のシーンで、きり丸が土井先生にかける言葉「土井先生は僕のたったひとつの帰る場所なんです」のくだりは、正直いうと全部言葉で説明しちゃってて冷めちゃうし、これを直接言わないのが忍たまの情緒だったのでは…と思ったんだけど(今まで落乱でも忍たまでもなんやかんやでこの二人がお互いのことを「家族」って言ったことはないし、アニメ製作委員会の人も「基本的には触れてはいけない部分」って言ってたので)、でも実際に10歳に近いであろう子役の子がいってると、10歳ってこんなにまだ子供なのかーじゃあもう土井先生死ぬかもってなったらこれくらい言うかもな…って思わなくも…ない。でも、正直もっとやりようあったやろー!て思います。

逆説的に、こんだけ重い設定がありながら、それを言葉やセリフじゃなくエピソードだけで「土井先生ときり丸は他人だけど家族みたいな関係性」って視聴者にわかるように表現してきたアニメ忍たまがすごいのかもしれん。

 

 

キャラクター&キャスト感想

立花仙蔵💣

六年生って、予算会議が会計委員会VSその他委員会ということや、文次郎の気質もあってなんとなく文次郎が学園のリーダーポジに見えるときもあるんだけど、クレジット順は絶対仙蔵が1番なの萌える。仙蔵が学年首席なんだろうな…

けんちゃん、本人はド天然なのに板の上に立つと完璧に仙蔵なのがすごい。所作が惚れ惚れするほど仙蔵だし、絶対キャラ崩壊しないし、「完璧だ」で髪を梳くしぐさとかがオーバーじゃないのが本当にいい。そうそう仙蔵ってこう!って気持ちになる。他の六年と明確に資質が違うのがわかる。

私は今回の脚本で、仙蔵が終始本当に「冷静」な態度を貫いていたことがすごいと思った。11弾は、脚本はよかったんだけど果たして長次はこんなに大声を出すだろうか?みたいなぎりぎりのシーンは結構あったと思ってて、それと比較すると今回六いは両方六いのまんま葛藤したり喧嘩したりしてるのが本当によかった。

ドクタケの話を信頼するかどうかで仙蔵と文次郎とで意見が分かれるのも、分かれそう~って思ったし、分かれ方にもそれぞれの軸が通っててよかった。仙蔵は常に何パターンかを想定しておくタイプで、文次郎は他人を信頼するかどうかに自分の判断軸があるタイプっていうのなんかすごくわかる。社会人としては仙蔵のほうが優秀なんだろうな…って思うんだけど、でもこの二人って相手の心根を信頼できるっていうのは根底にあるから、だからお互いに意見をぶつけ合ってるというのが伝わってきた。

六いって六ろや六はと比較すると「親友」って関係性とは違うんだよな…「ライバル」でもないんですよね。お互いに自分の目指すべきものがわかっていて淡々とそれに向かって努力しているから性格真逆だけどあんまり揉めることもない。でも戦場で背中を預けられる相手ではあるのだと思うし、根底のところで人間を信じているところが共通項として見えるところなども、い組のい組たるゆえんを感じさせてくれて私はじーんとします。

混乱した状況下や追い詰められたときも絶対に感情を乱されず、見るべきものをきちんと見る、素早く判断する、仲間にきちんと理論立てて説明する、人を説得するときに感情的にならない、そのうえで何パターンも想定しておいて不利な状況に巻き込まれないよう努力する…これぞ仙蔵っていうのをセリフじゃなくストーリーの中で感じさせてくれてよかった。

あと今回、爆弾投げるシーンが2回もあって、音ハメがきっちりはまるとすごくかっこよかった!けんちゃんの身のこなしの軽さもあいまって、ヒーロー見参!て感じで本当かっこいい。今まで爆弾つきの苦無(?)みたいな武器を使うシーンが多かったから、これからもこうやって火薬での見せ場作ってほしい。

けんちゃん、いつまで仙蔵やってくれるかな…本当に仙蔵の資質がありすぎるので、まだまだ仙蔵をやってるけんちゃんが見たいよ~という願望。。

 

潮江文次郎🧮

えーん犬猿六年と親友四年の会計用具だ…

文次郎のキャラクター説明は「忍術学園一ギンギンに忍者している男」だけど、文字通り”真面目な熱血漢”なのだなぁと思った。六いって、文次郎より仙蔵のほうが頭の良さ(学業的な意味だけでなく、頭の回転的な意味でも)は上なような気がするけど、それでもこの二人はどこまでも対等に見えるのがすごい。仙蔵と文次郎の意見が合わずにもめるシーンは象徴的だと思うけど、二人ともお互いの人格を否定しない(わからずやとか、頭が固いとか言わなくて、本当にディベート)とことか、問題解決に向かって話し合おうとするところ(文次郎は相手が留三郎か六ろなら決闘で話つけそうなのに…)なんかは、12弾の軸でもある”い組らしさ”だなぁーと思った。

かずさんって目のギラギラ感が文次郎よね。

 

 

中在家長次📚&七松小平太🏐

私は本当に(前の)きむくん小平太が大好きだったのでキャス変悲しかったー!

今回の六ろは原作っぽい六ろで、歌にもあったけど”マイペース”って感じだった。長次の「もそ」を小平太が全部訳すシーンとか、あんなんみんな好きや!文次郎が気持ちの整理をつけるのに時間がかかってるときに、「文次郎にしかできないことだって!」とか言って前向きに励ますのが小平太、無言でチョップする静かで愛情深い長次っていう役回りは、鍛錬組で文次郎と友達として仲のいい六ろらしい絶妙な立ち位置だなーと思った。仙蔵とは違う文次郎への向き合い方よね。

 

食満留三郎🦆&善法寺伊作💀

11弾から参戦のすずゆうくんが、場に慣れたのか驚異のメンタルモンスターとなり、前よりハチャメチャ感パワーアップしててよかった。

ドクタケに文次郎の話を振られて、伊作が「文次郎は熱くなりすぎるところがあって、ね」、留三郎が「だが信頼できる男だ」っていうところ12弾の名シーンだと思う!留三郎が言うことに価値がありすぎるセリフ。公式で”犬猿の仲”って設定があるふたりだけど、文次郎と留三郎は実際のところお互いの実力は認めてると思うので。

あと終盤で鵺さまが倒れたときに伊作が「留三郎!」って声かけて、留三郎が「守一郎!」って声かけて、守一郎が「はい!」って言って用具二人で担架持ってくるシーン、六はの二人の信頼関係が伝わってきたし、六はは二人とも”なおす人”なんだよな~ってのが凝縮されててよかった。そして留三郎が守一郎をかわいがってるのもこんな短いシーンだけど伝わってきた!用具六四いいよね~

 

平滝夜叉丸&綾部喜八郎

綾部が10弾以来のカムバックキャストということだったのですが(そんなことがあるのが忍ミュのすごいところ)、このまこべくんがほんとーーにハマり役で、彼の綾部を観れて本当に楽しかった!飄々としてマイペースで、誰の言うこともあんまり聞かないのになんとなく周りから可愛がられる才能がある感じを表すのがうまい。みんなの夢見る綾部やなーと思う。仙蔵の前でマイペースを貫きつつも仙蔵に目をかけられてる感じや、滝夜叉丸との絶妙な距離感貫きつつ舞台の端っこで結構わちゃわちゃしてる感じとか、とにかくどこにいても綾部っぽい動きをしてるので視線泥棒でした。

りゅーとくんがバク転得意なのでそのへんの見せ場が11弾より増えてたのもよかった!四年生会議で「これは仕事なのだから誰と組むかは選べない、いるメンバーで最大の結果を出すのは当然だ」とか超まともなことを言うのが滝夜叉丸っていうの、ウケたし解釈一致!13歳でなんでこんなこと思えるんだよ~笑

 

 

田村三木ヱ門&浜守一郎

三木ヱ門が守一郎のことを「同室」じゃなくて「クラスメイト」っていうの、原作読んでるなあ~ってのがわかってさすが。

ここで左門の名前を出すのがぺーくんのすごいところで。。ちゃんとアニメ見ててそれを役作りに生かしてるのがアドリブやTwitter営業から伝わってきて、さすがアイドル出身、ファン心理わかってるー!

 

登場シーンから二人三脚で出てくるし、11弾のときよりもぺーくんと岬くん自体の距離感が縮まっているのか、四ろの親友感が増しててすっごくかわいかった!守一郎の四年生のノリに流されない感じもよかった。

最後の勇気100%で「永遠に忘れないでね~フー!」のところ、ぺーくんが絶対「フー!」でアイドルポーズきめてるので絶対このパートみきちゃん見ちゃう。目のきらきら感と歯の白さがなんか三木ヱ門っぽいというか、三木ヱ門のことを努力型アイドルだと思ってるので…(滝夜叉丸はスター型だと思うからさ…)

 

斉藤タカ丸

実写化か?てくらい似ているタカ丸さん!ようしゅんのタカ丸さんみって、顔が似てるとかしゃべり方の似せ方うまいとか技術的な部分もあるんだけど、「チャラさとマイペースさの塩梅がタカ丸さんとほぼ同じ」ってとこだと思います。四年生会議のくだりで、忍者の経験は一番浅い彼の意見を13歳たちが「やっぱり仕事をしている人の意見は説得力がありますね~」とか言って聞いてる感じ、普段誰の言うことも聞かない13歳たちのよいこな部分も垣間見えるし、タカ丸さんの人徳とも思う。全然違う育ち方をした男の子なのにこの学年でうまくやれてるのがタカ丸さんが髪結い生活で身に着けたコミュニケーション力なのかしらと思うのであった。

 

Twitter営業も素晴らしいようしゅんくんなのでした。

 

おまけ

けんちゃんとまこべくんの作法営業の思い出…

綾部が変わっただけで、作法も四いも前よりもコンビ感強まってるのを感じて、同じ役でも役者さんの演じ方やキャラ解釈でこんなに変わるんだな~ってすごく思った。綾部喜八郎は作中屈指の人気キャラだと思うので、そんな喜八郎の何がこんなに人気なのかを的確にくみ取って、さらにそれを表現できる方が綾部やってくれてよかった。一度綾部役を離れた方なので今後どうなるかわからないけど続投してほしい…!

 

これは10弾のおふたりなんだけとお顔が美しすぎて超作法!!

 

 

会計かわいいツイート

 

学園祭まであってすっごく楽しかったです!

次の忍ミュはいつになるのかな。

 

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全員はまり役なのがすごいよね/ヘタミュWW感想

ミュージカルヘタリア〜The world is wonderful~を観てきました。私はヘタミュ…というか、ヘタリア自体を学んだのが1年前からで、生でヘタミュを観劇したのは初です。

 

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イタリア役🌎長江崚行

 

りょーきくんは相変わらず死角なしって感じで…

今回の話はイタリアの統合話がメインで、イタリア君のへたれで甘えん坊でお兄ちゃんにまっすぐな感じが相変わらずうまいな~って思った。あの感じを三次元で嫌味なくかわいくできるの、はまり役よね。

 

ロマーノ役🌍樋口裕太

樋口くんは長いこと忍ミュで滝夜叉丸をやっていた人、というイメージしかなかったので、こんなに歌えて踊れて芝居もできてなんでもできる人だとは知らなかった!滝夜叉丸のヘアメイクが合ってなかっただけでロマーノだとちゃんとかっこよく見えました。完成したカンパニーの中にほぼW主演の形で入るのって大変そうだけどここまでの実力者なら納得。とにかくダンスが上手くて惚れ惚れ。

 

日本役🌍植田圭輔

生で見ると本当にお顔がきれいで…。アドリブセリフでも「顔がきれいなので」って他キャストから言われてたのが印象的。

 

アメリカ役🌍磯貝龍乎

ついに見れたよ~~~ガチ恋の化身ことりゅこめりさん。とにかく視線泥棒で、センター性やスターオーラがあるから真ん中にいて映えるというのではなく、なんかよくわかんないうちに周りの人みんな蹴散らしてガーーーって頂点に立ったから真ん中にいてしっくりくるという、あまり他に見たことがないタイプの”とにかくどこにいても目立つ人”。なんかこう、アメリカという国が、みんなの中でいちばん若いのにルール無視で頂点に駆けあがった勢いとそれによる功罪は山ほど残してるけどもう後には戻れないって感じがりゅうこさんの気質とよく合ってると思った。無双感とでもいうのでしょうか。こうやって三枚目な振る舞いしまくってるけど自分で自分がかっこいいことは知ってるんだろうなとなんとなく思わせる雰囲気はさすが。あとは単純に、顔と体格もとにかく似てる。ブルドーザーみたいな勢いで怒涛のおふざけアドリブかましまくるひとなのに、カテコ曲であんまり笑わないところドキドキする。

 

イギリス役🌍廣瀬大介

よく請けてくれたよね…。本当にはまり役なのでまたこの役を請けてくれてよかったな~。歌やダンスなど何かが技術的に特別に上手いってわけじゃないけど、見てるこっちをドキドキさせる力に秀でてると思う方で、こういうのを”2.5次元の才能がある”っていうんだろうなあ。2.5次元って向いてる人とそうでない人はこっち側にはなんとなくわかるような気がしてて、ひろせくんのキャラクター解釈の仕方やアドリブの勘どころにいつも絶妙なセンスを感じるのはひろせくんの才なのではないかと思います。

私の把握してるだけでもイギリスのアメリカに対する病みアドリブ芸、お見事!

そしてアメリカとは対照的に、カテコ曲で劇中絶対しないようなくしゃっとした笑い方をする瞬間があって、あれって意識してできることじゃないと思うから、ひろせくんのアイドル性よなあって思う。

 

フランス役🌍寿里

生で見ると抜群のスタイルに感動!お顔も体型も軟派な雰囲気もさっすがフランスお兄さん。この人以外の配役はもはや考えられないほどぴったり。

 

ロシア役🌍山沖勇輝

中盤のロシアさんメイン曲極寒列車がいちばん好きな曲だった!おっきーさんの踊り方が私はすごく好きで、運動神経が良いからダンスが上手い人、という感じがする。

 

中国役🌍杉江大志

ヘタリアの世界において弟っていうのは植民地という意味…だけではないのかなとは思いつつ、中国にとって日本は弟ポジションなの?ってとこはふわっとさせながら観てた。弟相談所のシーン全日分見たい。

 

オーストリア役🌍ROU

変わらずロイヤルな感じで……。私が見た回、ロシアの無茶ぶりゲーム(?)みたいなのに指名されてて「もう3回目なんだけど!多い!!」って言いながらもちゃんとこなしててウケた。

 

スペイン役🌍山田ジェームス武

も~顔がきらっきら!生で見ると本当にお顔がきらきらで素敵だった。スペインとロマーノがこんな関係性ということも本舞台で初めて知ったので新鮮に楽しかったです。

 

プロイセン役🌍高本学

ダンスとかは本当、相変わらずだったけど(笑)、とにかく本当にめちゃくちゃめちゃくちゃ顔がかっこいいことを再認識した。なんかもう骨格からちょっと人と違うなって感じのイケメン。そしてプロイセン顔でもある。

 

 

ヘタミュはとにかくキャストがみんなやたらとはまってて、やっぱ2.5ってまずは見た目が似てないと!って思う私から見ても、本当にビジュアルのレベルが高くてすごい。そして全員2.5の勘どころがいいのか、観ていてストレスがないから楽しいです。

3部作が終わってもうこれ以上舞台を作る箇所がないんじゃないかと思っていたけど、大本命の(?)イタリア統一話を各国の兄弟事情を織り交ぜながら国と国の愛憎物語としてひとつのストーリーにまとめあげる脚本はさすがで、すごくおもしろかったです。途中めちゃくちゃ笑かしにくるのに、終盤はちゃんと感動させにくるんだもんなー。

 

ヘタリア/ヘタミュに関しては私が入門してよかったと思えるコンテンツのひとつで、インターネット黎明期のオタクカルチャーの残り香を感じつつ、これからも長く楽しめそうと思えるところに幸福感があるなぁと思います。

生観劇できて楽しかった!

 

ヘタミュ入門したときの感想はこちら。

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2021年によく聴いた曲TOP10

あけましておめでとうございます(あーーー!)

 

2021年内に書きたいブログ山ほどあったのに、”師走”の文字通り、1秒も時間ない日々が続いて気付けば年明けてました。というわけで、今年(便宜上今年といいます)も振り返ります、よく聞いた曲TOP10!!

 

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10位 Alabanza

これは特にこの曲が好きだったというわけではないけどこの前後の歌が好きだったので延々この前後4曲をリピしたことによるランクインです。笑

Alabanza

Alabanza

  • アンソニー・ラモス, レスリー・グレース, ジミー・スミッツ, Noah Catala, Melissa Barrera, コーリー・ホーキンズ, グレゴリー・ディアス四世, ダーシャ・ポランコ, Daphne Rubin-Vega & ステファニー・ベアトリス
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

9位 CULT/DUSTCELL

歌手も曲の中身も何もかも知らないんだけど、Spotifyサジェストで出会って曲調が好きすぎて一時期ずっと聴いてた。サビの転調からの「生まれてきたのはなぁ何のため?ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる回る」みたいな耳に残る歌詞がめちゃくちゃかっこよくて気持ちいい~!!


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8位 eternal eternity/セーラーウラヌス(CV皆川純子)、セーラーネプチューン(CV大原さやか

全然セーラームーン通ってないんですけどこれもSpotifyサジェストで出会ってすっごいかっこよくて聴いてた…皆川さんの声、ほんとボーイッシュでかっこいい!サビに「時を超え遥か 運命が満ちるって入ってるので、これお互いの名前部分を歌ってたら胸アツなのに~~~!!と思ってたらこのYoutubeコメント欄とかでみんな同じようなこと言っててウケた(2番だけ逆でもいい!と言ってる人もいて、それはそうと思った)

あとこれ、はるかとみちるがお互いに出会えた運命について歌ってるのではなく、二人ともがうさぎちゃんと出会えたことを言っているというコメントもあり、セーラームーン奥が深いんだなあと思ったものです。


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7位 Flower&Butterfly/藤田麻衣子

これもSpotifyサジェストで出会ってよく聴いた。ちょうど刀ミュ東京心覚で五月雨江と村雲江というキャラクターに出会って大感動していた頃で、「あなた以外の人なんてもうこの目には映らない こんなはずじゃない 眠るのも惜しくなるほどに心はあなたといたい もっともっと欲しくなる」のところがこの二振りのイメソンに聞こえてよく聴いておりました。

Flower & Butterfly

Flower & Butterfly

  • provided courtesy of iTunes

 

6位 Carnaval Del Barrio

もー大好き!!最初から全部好きだけど、ソニーが登場してからソニーとバネッサが”We are powerless, we are powerless.” って歌うパートのとこからがもう本当に大好きすぎる。

Carnaval Del Barrio

Carnaval Del Barrio

  • Daphne Rubin-Vega, ステファニー・ベアトリス, ダーシャ・ポランコ, Melissa Barrera, アンソニー・ラモス, リン=マニュエル・ミランダ, コーリー・ホーキンズ, グレゴリー・ディアス四世 & レスリー・グレース
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

5位 Paciencia Y Fe

特別な曲。”And now I’m wide awake,”からのドラマチックな展開が特に好きなんだけど、この曲ってアブエラの表情ありで聴くと本当に胸にせまるので、やっぱりもう一回映画館で観たいと思うのであった。円盤出てるの知ってるけど映画館でじっくり観たい~…今年一番映画館で観た映画です。

Paciencia Y Fe

Paciencia Y Fe

  • provided courtesy of iTunes

 

4位 HIP/MAMAMOO

去年もよく聴いた曲TOP10に入ってたぞ!!本当にこの曲が好きなんだな…とにかく曲調が好き。気分あげたいときに再生しがち。


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3位 夜に駆ける/YOASOBI

昨年末から聴き始めたんだけど本当に大好きな曲!!曲調も歌詞も全部好み。2020年紅白の演出もすごく素敵だったー。そして個人的にこれが忍たまの七松小平太先輩のイメソンに聞こえてしまっており、それもあって超聴いてた。

夜に駆ける

夜に駆ける

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

2位 A Rumor in St.Petersburg

昨年12月に宝塚大劇場宙組公演を観てから、人生で一番宝塚に通ったアナスタシア。その中でもいちばん好きな曲がこれだった。今年の前半は本当によく聴いていて、もう日本語版でも英語版でもどっちで何の役で呼ばれても代役で出れる!ってくらい聴いてた。笑 曲の終盤で「シッ!」て”静かに”のポーズをする真風さんのかっこよさを思い出す一曲。

A Rumor in St. Petersburg

A Rumor in St. Petersburg

  • John Bolton, Derek Klena, ラミン・カリムルー, Christy Altomare & Anastasia Company
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

1位 Blackout

はい、ということで今年一番聴いた曲はBlackoutでしたーー!インザハイツの曲をめちゃくちゃ聴いてた自覚はあったけどまさかTOP10のうち4曲もインザハイツのサントラとは…。そしてBlackoutが本当に好きで(ここからのPaciencia Y FeとCarnaval Dal Barrioの流れが特に好きっていうのもあるんだけど)、本当にずっと聴いてたな。ストーリーの転換部分にふさわしい、ドラマチックな構成の全員歌唱曲なのがたまらない!

Blackout

Blackout

  • アンソニー・ラモス, コーリー・ホーキンズ, Melissa Barrera, レスリー・グレース, オルガ・メレディス, グレゴリー・ディアス四世, Noah Catala, Daphne Rubin-Vega, ステファニー・ベアトリス & ダーシャ・ポランコ
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

番外編 TOP100に入っていた、2021年に出会った思い出の曲

Not a Dream/D.D.C

本当に何もかもわからんけど、かっこいいから聴いてた曲。韓国のラップ…?てことしかわからんのだけど、でもかっこいい。マジで何の曲?


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Tick-tack/THRIVE

なんらかの乙女ゲームの曲なんでしょう、ということしかわからないままに曲調が好きでよく聴いてた(こんな聴き方していいの?)。私は時計の針の音のギミックが入ってる曲が好きという傾向がある。「君の恋はGAMEで僕の恋はTrue Love」って歌詞、キラーフレーズだなぁと思ってお気に入り。

Tick-tack

Tick-tack

  • provided courtesy of iTunes

 

帰り路をなくして/鬼束ちひろ

もともと鬼束ちひろさんが好きなんだけど(このブログタイトルの月光もそれから)、今年、この曲が土井先生ときり丸のイメソンとおっしゃってる方がいて、あまりにもそうすぎて改めて今年よく聴いてた。

帰り路をなくして

帰り路をなくして

  • provided courtesy of iTunes

 

Reason to FIGHT

2ndバトルシーズンの中でダントツかっこよかったヨコハマVSシブヤのバトル曲。ぽっせ優勝おめでと~!それにしてもバトルシーズン本当に長かった……笑


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Black Journey/ Fling Posse

こないだ友達と話してて、「そもそもDiv曲で一番かっこいいのもらったのシブヤだったと思う」って意見で合意した。曲を作った人の本気が伝わるし、この曲をもらって声優さん3人もより熱を込められたんじゃないかな。何回も言ってるけど、この曲の帝統パート「Jack the line!!必要ないJustify ”I wanna”だけで構わない旅路」が、帝統が乱数に向かって放つ言葉として100万点すぎる上にのづくんの発声の仕方が超かっこいいので、も~こんな曲もらえて本当によかったねぽっせ…って思いました。


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Dingga/MAMAMOO

コロナ禍にMAMAMOOが作ってくれた曲。「こんな天気良いのにどうせ引きこもるだけだしダラダラしても寂しいだけよ デトックスしたいよね?」「なんでみんな怒っているのかな?悲しくなるね 甘やかしてもいいよね?」みたいな、甘くメロウなメロディーにちょっとリアルで切なくてキャッチーな歌詞が溶け込んでて本当にすてきな曲!サビの最後の文章が「アイスクリーム食べたいね、一緒に」なの、本当に最高すぎる。今の気分をこんなふうにPOPミュージックにできちゃうんだ~って思ってきゅんだった。


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It’s Time to Dance

これは去年映画で観たのかな?THE PROMの大団円Endingのサントラ。私はミュージカルの一番最後に敵も味方も全員登場して歌って踊ってハッピーエンド!!!ってなる曲が本当に好きなのでこれはもはや、癖にぶっささってるから大好きな曲。笑

この動画でいうと7:25~のお母さんのハモリパートがやたら好きなんよなあ!!(あのお母さんなのに!ってとこも含めてw)

なんかこれ、結婚式の会場BGMにしたら映えそう~って思う。


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ないない/ReoNa

アニメ脱落しちゃったけど、こんなに世界観にあってるOPすごいなーって思った曲。伝説になるアニメ、1期のOP曲が神説あると思うんですけど、これ本当にシャドーハウスの世界観にぴったりなダークファンタジーかつ女の子の世界っぽい感じがよい。


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Bad Habits/Ed Sheeran

おっしゃれ~~!!街角でもたまにふいに聞こえてくることある。夜にひとりでちょっとエモい気持ちのときに聞くとはまる。


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はい、今年はアナスタシアとインザハイツに熱くなった1年だったのでこのサントラばっかり聴いてましたが、相変わらず曲の好みが偏っております。ちなみに12月から某吸血鬼アニメのOPを狂ったように聞いているので2022年のTOP10にはきっとこれがランクインするのじゃなかろうか…とすでに思っている。

来年はどんな曲に出会えるでしょうか?それではまた。

 

 

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はてなブロガーに10の質問

みんなやってるから私もやるー!はてなブロガーの端くれだから…

 

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問

 

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

ブログ名は検索しやすいのがいいなと思って、好きな言葉を2つくっつけた。鬼束ちひろさんの『月光』と、ブランドの『Olympia-Le-Tan』が好きだからです。わりとすぐ好みが変わる方なんだけど、この2つは長く好きでいられそうかな?と思ったので。今も好きだし気に入ってる。

HNは本名由来のあだ名から、さらにそれをもじった感じ。全然気に入ってないし、自分のことをチャイ緒さんだと思ったこともないwww Twitterで別のオタ垢持ってて、そっちのHNで呼ばれることの方がいまだに多いかも。

許されるなら今からでも立花雨月*1って名前に改名したいわ…来世、宝塚に入ったらこの芸名にします。

 

はてなブログを始めたきっかけは?

多分もぐもぐさんのこのエントリを読んだからじゃないかなー…

mogmog.hateblo.jp

なんか世界観が何もかも衝撃だった。ものの見方も、言葉の操り方もすっごく衝撃で、こんなふうに世界を楽しんだり、インターネットを好きになったりしていいんだ!!という驚きがあって、私もこういうふうに、思ったことをブログに書いたりしてみたいなーと思った…気がする。

はてなブログ”っていうブログジャンルがあることも全然知らなかったんだよな。ブログサービスなんてなんでも同じだと思ってた。

あとはやっぱりジャニヲタの方々の熱量たっぷりなブログの影響も受けてると思う。こんなふうに好きなものについて思いっきり書いてみたい、って心を動かされる。今でもこのエントリが個人的に担降りブログの最高峰と思ってて、もはや”担降りブログ”っていうジャンルごと作っちゃったんじゃないか?と思う。ジャンルをつくる文章ってすごいことだ。

aaaaa0622.hatenablog.com

 

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

そんなに読者がいるわけじゃないのでTwitterで反響があった記事や、はてなブログのトップに載った記事は結構覚えてる。初めてトップにのったのこれだな、本当に宝塚の文脈のことほぼ知らないまま見たので「トップスターの人の輝きが凄すぎてロナンが貧しい農民に見えない」とか書いてんのがヅカヲタの人に新鮮だったようで、好意的に読んでもらえてよかったw 今なら書けない。

aonticxx.hateblo.jp

「初見の感想」系で言うと、この記事もクラスタの方が拾ってくれて色々コメント読めて楽しかった。何も言及してないのに「文章量でこの人の推しが誰なのかわかる」ってコメントは笑った(お察しください)。

aonticxx.hateblo.jp

今年ずーっと検索流入1位なのは忍たまキャラクター投票。そもそもの公式サイトが消滅してるのもあって、普通に調べた人が読んでくれてるんやと思う。こんなの、遅れてジャンルにハマってしまって誰とも語れないからって独り言を言うために書いたのに、何が伸びるかわかんないもんだなーと思う。はてなSEOありがとう!

aonticxx.hateblo.jp

 

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

何か観て、文脈に気づいたときかな?どんなにワクワクドキドキして、「あーおもしろかった!」って思ったものでも、語る言葉が思いつかないものは書かない。書けない。*2

一方、なんだこれは?????って思ったものは、その「なんだこれは???」を解読するために書くかも。何かを好き/嫌いであることと、論点があることって別物なので。

 

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

今見たら15記事。直近、本当に書きたかったのは今年の劇場版クレヨンしんちゃんの感想!本当に大感動して、書く気まんまんで途中まで書いていたのにタイミング逃した。あと、大好きな珠城りょうさんの退団公演は、もう書く前からタイトルもずっと考えていた(「さよなら初恋の人」にしようと思ってたw)というのに、いざ退団してしまうとうまく書けなくて途中でお蔵入り。短文でもいいから書き上げて出すべきだったな、って思うけど、思い入れのあるものほどちゃんと書きたいってなってしまう。

 

自分の記事を読み返すことはある?

よくある。そのときの熱かった気持ちを思い出せて楽しいから!

自分でよく読み返すのは尼崎聖地巡礼。尼崎が今の私にとってパワースポットだし、本当にエントリにまとめておいてよかった!あのときのときめいた気持ちをいつも思い出せる機能をもっている気がする。あまり旅行に行かないので、旅行記って書いておくとこんないいことがあるんだな〜と思った。

aonticxx.hateblo.jp

 

好きなはてなブロガーは?

たくさんいる。1個強烈なエントリを書いた人は「あのエントリの人かー」って感じで覚えてる。Twitterをフォローせずはてなブログでブクマしてることの方が多いから、エントリの内容で覚えてることが多い。

私が更新を心待ちにしているのは苧野そよさん。もう着眼点っていうか、文体のファンなので、まったくなにも知らんジャンルの感想文でも絶対読んじゃう。こんなふうにコンテンツ感想書きてえ〜

aoionon.hatenablog.com

ぶどう石さんも文体や考え方が好きで、全エントリ読んだ。やっぱヲタ卒エントリが好きだけど(最近ヲタ卒したくてよく読んでるのもあるw)、資格の勉強してるエントリとかも好き。なんか、インターネットで見る人の日常が垣間見えるのが好きなのかな。色んな人がそれぞれの人生を生きてる…って感じるのが好きなのかも。

moon-drop.hatenadiary.com

宝塚関連だとこちら。ジェンヌさんに対する描写がうまくて読みやすい。人を褒める語彙が豊富っていいことだよなと思う。各生徒さんの名前を毎回組の色にしてるのも、ブログっぽくて好き!(私がヒプマイ関連でブログ書くときに真似してる。笑)

lillyssa.hatenablog.com

今年読んだ中のベストエントリは多分これ。どんな経験をしたらこんなふうに自分の感情や愛情を言語化できるんだろうと思った。文章が上手すぎる。ここ二年で色々なことがあり、NEWSをいまだに好きで信じている人はなんでその気持ちを維持できるんだろうと第三者として見ていて思っていたのだけど、このエントリほど説得力のあるものはないと思った。”世間の声”とは全然違う、真摯な眼差しを知ることができるのがはてなブログの魅力。

n-e-w-s.hatenablog.com


全体的に、多分、好きなものを好き!!っていうだけじゃなくて、好きじゃなかったものについてもきちんと書ける人に惹かれる。

 

他にも、過去記事まで全部読んでるって人たくさんいる!パワーブロガーの方が今の私の年のとき何考えてたのかな?とか気になって何年も前のエントリ読んじゃうんだよね。

 

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

おめでとうございます!っていうほどはてなブログと私に特に関係性はないのだけど、とにかくおめでとうございます!

 

10年前は何してた?

大学生だった。今思うと、大学生のときからはてなブログ書いておくべきだった。何か人生変わってたような気もする。でも、書くことなかったんだろうな…笑

 

この10年を一言でまとめると?

長かったし、自分の心境も毎年のように変わり、いまだに何も安定していないけど…はてなブログをはじめ、インターネットのおかげで楽しいことも増えた10年だった気がする。

 

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初めてお題に参加しました!自分語りしやすいお題、ありがとうございます。

 

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*1:最近好きな美しい人たちの名前の組み合わせで、1個1個の漢字も好き

*2:こないだ観た宙組のDélicieuxなんてまさにそうで、すっごい大好きで自分が人生で観たレビューもののショーの中で1位だ…!って思ったけど、それを文章に落とすためのコンテクストが私の中にはなかった。体で感じたショーだった。

私たちはpowerless(力がない)、それでも目の前のロウソクに火を灯す/映画『イン・ザ・ハイツ』感想

命を燃やして映画館に通っている『イン・ザ・ハイツ』の感想。

 

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ドルビーシネマのすてきな演出!

ニューヨークに住むラテン系移民たちの苦悩と希望をパワフルな楽曲でまとめあげた傑作ミュージカルの映画化。前情報0で観に行ってしまったのですが、最初の『In The Heights』が流れたときから「あ、多分このミュージカル好きだ」となり、BlackoutからのPaciensia Y Feのとこで爆泣きして、映画館を出る頃には「明日から私もがんばって生きる(涙)」となっていた。そういう気持ちにさせてくれるミュージカルと出会う瞬間は特別で、だから私はミュージカルが好きなんだよなーー!!と思わせてくれる最高の作品に出会えました。

 

まず、表題曲でもある『In The Heights』でがっちり心掴まれた!最初のサビでIn the heights I flip the lights and start my day〜♩ってなるところの盛り上がりがたまらなくどきどきする!(ここからサルサになってるらしい)タイトルと同じ名前の曲がテーマ曲になるミュージカルってやっぱりかっこいい…。この曲で、主要キャラがほぼ全員紹介されるのもいいし、ワシントンハイツに住む人たちの「夜が100万年後に感じられる重労働を、コーヒーで乗り切る」っていう日常をたくさん差し込んでるのがいい(レストランや清掃の仕事で働く人たちのカットが差し込まれてるの、撮り方いい〜って毎度うなる。一人一人に人生があるとわかるから)

No,no no no!から入るバネッサの歌のうまさ好きすぎ。

この映画、本当にワシントンハイツで撮影してるっていうのが舞台にはできない特別性だと思うんですが、交差点のところでたくさんのアンサンブルが踊るシーンは圧巻!街の持つラテンな雰囲気と熱量が超伝わってきてすごい。わくわくする!

この曲、Youtubeで公開されてるから家でずっと観ちゃう。


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全然余談なんだけど、初見のときピートの存在を認識したのがかなり終盤で、でも見返すとピート超序盤から出てんじゃん!!wwwってなったw

 

『Benny's Dispatch』は聴けば聴くほど好きになる。タクシーの配車しながら陽気にラップして街の人とクラクションでコミュニケーションとるっていうのがすでに楽しいのに、ベニーとニーナの微妙でむずがゆい関係性もここで提示されてるのがきゅんとくる。

 

『Breathe』は私の最初の涙腺刺激ポイントで…。頭がよく、街で初めて大学に進学した女の子・ニーナの悩みについての歌。ニーナの感情が高まっていって、「子供のときから夜まで勉強 一番高いところに届くために 奨学金をとり街で初めて大学に行った」のところで私もうえーんってなってしまう…。彼女の肩にのしかかる重圧を知るとともに、アンサンブルで出てくる街の人たちがみんな優しそうなのがまた泣ける。大人は悪気なく子供に期待してしまうが、何事も一人の肩に背負わせるのは良くないってのもわかるだけに……

 

美容室のかしましソング『No Me Diga』は最高!!とにかくキャッチーでキュートで目が足りない!ダニエラみたいなお姉さんって本当に最高だし、アブエラとはまた違う意味で街のみんなの精神的支柱なのが素敵。背が高くてムードメーカーでずっと明るくケラケラしてるカルラも可愛いし、セクシーなカーディーボディに個性的でオシャレなメイクの毒舌クカも可愛いし*1、こんなお姉さんたちが近所に住んでたら絶対楽しい!!って思っちゃう。この曲が始まる前に、「ブロンクスは遠い」「電車で10分よ、先祖は奴隷船を生き延びたのにA列車ごときを生き延びれない?」みたいな会話があるのめっちゃいい。

ニーナが美容室に来て、「あんたなら全員すっ飛ばして1番よ!」「卒業式には私たちも呼んでね 名前を呼ばれたらぎゃーって叫ぶ」みたいに、街の人たちが本当に家族同然で、親戚の子みたいにニーナのことを可愛がってて誇りに思ってるのが伝わってきて、いい街だな…ってなった(それがニーナにはじわじわ重荷なのもわかるんだけど)。

 

『It Won't Be Long Now』は監督の美的センスが光るというか、映像ならではの美しい撮り方だなーって思う。ビルの上からカラフルな布が降ってきて、誰もいないワシントンハイツの道をバネッサが一人で駆けていくシーンは、デザイナーの夢を一人で追う*2バネッサの孤独な戦いが伝わってくる。主役のアンソニー・ラモスさんが「チュウ監督は映像として何が美しいかを理解している素晴らしい監督」ってパンフレットで言ってたけど、随所でその言葉の意味がわかる。ブロードウェイでトニー賞を何冠もとったミュージカルが原作なので、脚本や音楽がいいのはもはや当たり前なんだけど、それをあえて映画にするってなったときに、「これは映像じゃなきゃ撮れないカットだ!!」って思えるシーンが何度も何度も出てきて、本当にいい監督に撮ってもらえたんじゃないかな…(涙)って部外者のくせにそんなことまで思った。

 

このあたりで、主人公ウスナビは「故郷のドミニカ共和国に帰りたい人」、バネッサは「街に出てデザイナーの夢を追いたいが、資金面などの問題がある人」、ベニーは「自分でビジネスで成功したい夢をもつ人*3」ニーナは「コミュニティを代表して活躍を期待される重圧を持つ人」のように、同じワシントンハイツの住人にも様々な問題や苦悩を持つ人がいるってことが描かれてて、それがとてもいい。同じラテン系移民でも、今に問題を抱えてる人、乗り越えたい過去がある人、未来に叶えたい夢がある人…いろんな人がいて、でも根っこのとこには「ラテン系移民である」という共通点があり、わかりあえないことも、わかちあえることもある。それぞれの見ている世界が交差していく構成が非常に上手く、本当によくできた脚本だなーって思った。

 

『96,000』は、実際にプールで撮影したことが信じられない!!美しすぎる。プールの真ん中で紫の浮き輪で浮かぶバネッサの美しいこと…。音が小さくくぐもるところで映像も水中になるのオシャレすぎる!「宝くじが誰かに当たった」っていう筋書きでみんなの人生が変わり出すという話になると思わなくてどきどきした。結果、当選者がわからなくて「大事なのはみんなが夢を持ってたことなんだ」ってお伽噺みたいに言われて、へえそういうもんか…って思ってたので、まさかそれがあんなことになるとは……

ソニーの子がラップうまくてかっこいいんだよな〜!!子役出身らしい。

 

本当に前情報0で見たので、かき氷売りの人がまさか原作・音楽・製作担当&ブロードウェイ版初演ウスナビの人だなんて思わず、後から調べてめちゃめちゃびっくりした…。しかも『Piragua』で出てくるチェーン店のアイスクリーム屋が同じブロードウェイ初演のベニーだなんてなんというサプライズ!!原作ファンの人嬉しかっただろうな〜。

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なにげなくこの動画を見てて、8:30〜あたりで、えっこのベニーもしかして……ってなって気づいた。

 

『When You're Home』も本当に大好きな曲。ベニーとニーナの現在の距離感が描かれ、今もお互いを大切に想っていることにきゅん…。全体的にラテンミュージックやヒップホップ、サルサな曲調の楽曲が多い中、ベニーとニーナの曲は明確にアメリカンポップテイストらしい。音楽の教養が全然ないので聴いただけで言い当てられないのだけど、言われてみればテイスト違うなーと思うので、もっと勉強したい…。

前半は二人の青春時代の思い出みたいな歌詞でかわいいんだけど、Don't say that, don't say that!からの転調で胸が締め付けられる。この曲でニーナが歌うのは、「私の居場所はどこ?」ってことで、これは多くの移民がぶち当たる壁なのかなあって思った(Paciencia Y Feでアブエラも似たようなことを歌っている)。同じ移民でも、一世と二世とではまた感覚も違うだろうし、ニーナの「もし両親がそのままプエルトリコにいたら?NYを知らずに私はどうなってた?その答えが見つかるかもとスタンフォード大学に行ったのに」という吐露は切ない。ラテン系に限らず、この世の移民2世の人はこの歌詞に共感するところは多そう、と思った。

それに対して「正直に言うよ、俺は朝から君のことばかり 聞いて、君は今自信を失ってる でも信じて、君が自信を取り戻したらそのときは君は世界を変える人だ そのときは自慢する、うちの地元の娘だって!」って言えるベニーの男前なこと!!!!!こんなにニーナのこと想ってくれてるんだと思って泣ける。いい恋だな〜。なんで別れちゃったの!?と思うのであった。

やっぱ、頭のいい女の子のそばに、こういうふうに支えてくれて、君は世界を変える人だ!って言ってくれる男の子がいるのは最高ですね……

 

『The Club』のダンスチューンは熱気が伝わってきて体が熱くなる感じがするんだけど、それにしてもこのあたりから「ウスナビ……なんでそんなことすんの!?!?!」という恋愛偏差値0行動が目立ってドキドキする。笑 このへん、saebou先生が「ラテン系の男の子=女の子にぐいぐいいくもんだっていうステレオタイプじゃないキャラにしたかったのだろうと思うけど、普段は別にシャイでもなんでもない社交的でリーダーシップもある男の子なのでバランスが悪く見える」みたいに仰ってて、なるほどな〜と思った。

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何回も観てるうちに、まあ別に擁護はできないけど、ウスナビは仕事とか社会奉仕活動(?)とかではコミュニティの中心で積極的にやってきたけど、あんまり恋愛に自信がなくて、しかも相手が街一番の人気美女ってとこもあって、引け目感じてるから、だからバネッサから100%OKが出てるってわからないと行動に出れないみたいな思考回路なんやろうな、って思いました。でもこのクラブシーンだけでなくもう一回(シャンパンのシーン)重大な脈なし行動をとっているため、本当お前…バネッサがいい子だったからどうにか成就しただけで、ここまで女の子に恥かかせたら普通は上手くいかんわ!!て思いました。笑

 

そんでここからが本当にもう〜大号泣シーン突入!!!

 

『Blackout』は、物語の重大なターニングポイントである街の大停電をモチーフに、主要キャラクター全員が登場し、それぞれの運命が動き出す壮大なコーラスナンバー。私はミュージカルで、みんながそれぞれのパートを歌ってそれがだんだん重なって大きなコーラスになるっていう楽曲が大好きなので、本当にこの曲が大好き!!

同じ停電の日に、みんなが同じ場にいて、ウスナビとバネッサは大げんかして、ベニーは仕事に向かい、ソニーとピートは花火を打ち上げ、美容室トリオはアブエラの家に向かい、アブエラには死が迫って……。停電というパニックな事態なのに、すぐに「花火を打ち上げて明かりにしよう!」とか言って、打ち上げ花火や手持ちの花火を明かりの替わりにして、わーって街でダンスし始めたりしちゃうラテンの人たちの底抜けの陽気さを描きつつ、でも、問題は山積みでそれらが交互に差し込まれて怒涛の映像が流れ込んでくるのが圧巻。ベニーが、混乱する道路を見て「明日失業だとしても今夜は違う」とタクシー会社に向かい、携帯と簡易な発電機で交通整理をするところはベニーの覚悟に泣いてしまった。私はこういう、深刻な事態がおきているときでも自分のできる範囲のことはまっとうする、っていう人間の真摯さに弱い*4

大問題が起きてても、すぐに明るく笑えて忘れちゃえる、でも根本のところの問題は全然解決してないっていうのが、この作品全体のことを暗喩しているようで、象徴的なシーンだと思ったし、ここで”We are powerless.”というダブルミーニングのキーワードが出てくるのがものすごく胸に刺さった。私たちには電気がない/私たちは無力である…。

冒頭の「Somebody better open these goddamn doors!(誰かドアを開けろ!)」とかも、示唆的な歌詞なのかなー、と思った。この現状を打破するためには、誰かがまずドアを開けないといけない。

 

ここからアブエラのソロ『Paciencia Y Fe』につながるのですが、このソロ曲が圧巻すぎて……!!アブエラが半生を振り返りながら情感をこめて歌う追憶の曲なんだけど、後半になるにつれて、これは”怒り”の歌なんだ、ってわかるのが、つらくて、つらくて……。

アブエラは移民二世で、ウスナビやニーナ、ソニーも多分二世なんですが、やはり1943年にアメリカに渡ってきた人と、90年代とかに渡ってきた人とでは全然違うんだろうなって思う。故郷にいたとき、街には飢えと怒りが満ちていて、だから仕事のあるニューヨークに来たのに。遠いけれど仕事のある街は歓迎してくれると思ったのに。「And now, I'm awake. A million years too late. I talk to you imagining what you'd do.(今私は目が覚めた 百万年遅すぎた だからあなたに話すの)」の歌詞が凄すぎて、どうしてこんな歌詞を書けたんだろうって思ったし、やっぱリン=マニュエル・ミランダのそばに本当にこういうひとがいたんだろうか、って考えた。こんな大切なことに今まで気づけなかった自分にも、自分たちを受け入れてくれなかったアメリカにも、自分をアメリカに連れてきた親にも“怒り”の感情があって、そしてその怒りをぶつけるべき先がどこなのかももうわからず、慢性的な怒りでずっと自分を傷つけてきたことが伝わってきてつらかった。この漠然とした怒りは、移民の人ならみんな少なからず心の底に抱えてる感情なのかも。傷つくことは沢山あるのに、どうしたら解決できたかわからないまま生きるのはきっとすごくしんどい。

ママの仕事のためにきた、そして自分もここで働くようになり、一日一日が苦難の連続で、「したいこと」なんでアブエラには考える余地もなかったんだろう。そして年をとり、彼女は今、「残るか、帰るか」の決断を迫られ、「ママ、私はどうしたらいい?」と尋ねる。移民二世は良くも悪くも親の人生の延長線上から人生が始まってしまうという苦しさがよく伝わってきた。

故郷にいたときのように毎日床掃除の仕事をして、英語に苦戦して、なんとか生き延びて、「こんな話をすると胸が張り裂けそう」と、NYの地下鉄を乗り継ぎながら歌うアブエラの表情がもう凄すぎて、私はいつもこの曲でうめき声が出そうなほど泣いてしまうのであった。些細な人生に見えるか?でもこれは一人の人間の物語で、何十万人の人間の物語でもある。アブエラの人生のストーリーでありながら、多くの移民ひとりひとりの個人的なストーリーを歌っているようにも聴こえるすごい歌だと思った。自分が当事者だったらこの曲を聞いてどんな気持ちになるんだろうって想像してしまう。

アブエラ役オメガ・メレディスさんは、ブロードウェイ版オリジナルキャストでも本役を演じていたとのことで。。別格の存在感だったなあ。

 

『Alabanza』でアブエラの死を悼み、ウスナビとバネッサはちょっと仲直りして、そして、ソニーとニーナは週末のデモへ。

ソニーが不法移民であることから大学に進学できないという問題に直面し、「君を目指してた」と打ち明けられたニーナが、お父さんに「パパ、決めた。パパの与えてくれた教育を生かし、移民の子の市民権のために戦う。大学は出口ではなくこの街に戻ってくるための通り道かも」と決意を語るシーン、そうくるのかー!!って思って大感動した。ニーナの苦悩もわかるはわかるし、それはそれとして、お父さんが店を売ってまでニーナの学費を払うとためらわずに決断していることは、子供にとっては重いんだけど、でも、親だったらそうするよなってのも最初からすんごくわかってた*5。私は正直、ニーナがドロップアウトしてしまっても仕方ないと思っていて、そうだとしてもそれを肯定的に描いてくれる終わりだといいなと思っていたので、まさかこんな上を行く結末をニーナが導き出すとは…。それに対するお父さんの「来たか。お前は俺を追い越した。大学じゃなく見てるんだ、俺には見えなかった未来を」「(お前は)プエルトリコ人、ニューヨーク・リコ人だ。”移動する民”だ、みんながついてる。お前を疑う奴は無視しろ。傷ついても戦い続けろ」のところ、なんか本当に王様と王位継承者の会話みたいでアツすぎた。”娘が父を超える瞬間”であり、お父さんにとっても、ニーナにとっても、この決断に帰結させるまでの流れに納得性がありすぎて、なんて完璧で美しい物語なんだろうと思った。パンフレットでチュウ監督が「この物語の、次の世代は常に前の世代よりも遠くの景色が見えるというアイデアが好きなんだ」と語ってて、なるほどー!!と思ったものです(アブエラの選択にも繋がる話だと思う)。

 

『Carnaval del Barrio』も本当に大好きな曲!!毎回大感動して泣いてしまう。「パワー(電気)はないけど、パワフルよ!!」と言い放つダニエラのかっこいいこと!ニーナとベニーがキスしてた!!ってゴシップでみんなが大はしゃぎしてるの最高。この曲も明るいサンバ・チューンでありながらもソニーが「ちょい待ち ウスナビは故郷に帰ってニーナは男にとられた、俺のベビーシッターだぞ!ボテガは閉店、タクシー会社は売却、美容室は移転 歌って踊ってる間に人はいなくなって街は崩壊していく」って切り込んで、バネッサとWe are powerless, we are powerlessって歌う(このハモリか超きれい)のに対し、ウスナビは「そうだ無力な俺たちだけどロウソクに火を灯そう 無力でもできる 永遠に変わりゆく移民の街は今日が集まれる最後かも なのにこの瞬間を無駄にしたいか?」って返してて、どっちもあるのがよかった。この作品の全てを表してると思った。目の前にある大問題から目を背けてもダメだし、でも、目の前にある小さなことから行動するのを諦めちゃいけないのも本当で、どちらも肯定的に描いてるのがすごかった。ウスナビのいいところは、この「目の前にある小さな一歩を絶対に踏み出す行動力」であって、そういうところにみんなが惹かれるのはわかる。Blackoutでもソニーは「ウスナビを見習って人のために行動しよう」って言ってたし…。

ここでみんなより上の立ち位置からピラグア売りのリン=マニュエル・ミランダが「旗を掲げよう 美しい魂が詰まってる!」って歌うの、構図的にもエモいっていうかこれ撮影しながらみんな楽しかっただろうな…とか想像してしまった。ドミニカ共和国プエルトリコ、メキシコ、キューバの旗をそれぞれはためく中で、実際にラテン系キャストの人たちが集まって撮影することでしか作れない雰囲気がそこにあったと思う。ウスナビに国旗を手渡すのが子供なのもよかった……コミュニティの中で世代は続いていくんだよなあ。

移民のみんな、今の私が生きる場所はここだって思いつつも、「私が死んだら故郷に埋めて!」って気持ちはあるのが、アイデンティティをめぐる物語だなあと思った。自分のルーツを知っていること、自分の故郷を誇りに思うことが自分自身の力になるっていう感覚は、日本生まれ日本育ちの私にはあんまりない感覚で勉強になる。

 

『When The Sun Goes Down』は、どうやって撮ったのこれ!?ってまず思ったけどとってもロマンチックな曲。ふたりの遠距離恋愛への覚悟を歌った楽曲で、でももうこんなにお互いのことをリスペクトしてて、想いあってるなら、きっと遠距離恋愛でも大丈夫…と思いながら見てた。

 

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behind the scene系の動画(これだと6:55〜)観てるとわかるんだけど、このシーン本当にビルのセットを傾けて撮ったらしい、すごすぎる…

 

『Champagne』でまーーたウスナビがやらかしたので、最後の最後までこれってことはもう本当に、ほろ苦い恋の思い出としてウスナビはドミニカ共和国に帰るんやな…と思っていたので、最後大どんでん返しでびっくりしたw ミスリードというか、そうだったの!?っていう演出がうまい。

『Finale』でウスナビとバネッサがこういう未来を自分たちで作り出したの、完璧な終わり方だなと思ったし、ウスナビが帰りたい故郷はここにあるって導き出せたの、よかったなあ。最後が子供のカットで終わるの、「未来」の象徴だと思った。完璧に美しいハッピーエンド!!リン=マニュエル・ミランダも、自分の故郷をこうやって大作ミュージカル作品にしちゃうことで故郷の存在を残すことに貢献しているのだから、すごいことだよね〜。

 

リン=マニュエル・ミランダさんのこと本当に何も知らなかったんだけど、私が大好きだった『モアナと伝説の海』の楽曲を作っていたり、大好きなトニー賞(2013?)のオープニングを作った人だと後から知って、人生の伏線回収気分。ハミルトン観たいよー、ディズニープラスさん、字幕はよつけてくれや!!

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これを機に、プエルトリコは国じゃないということを知れたり、ラテン系アメリカ人のことをもっと知りたくなったり、音楽のジャンルが聞き分けられるようになりたいと思ったり、ダニエラの女優さんがRENT初演キャストだったらしいのでRENTを観たくなったり、興味の対象が広がりました。世の中、まだまだ知らないことばっかりですね。

 

思ったことたくさんありすぎ、好きなシーンも台詞もありすぎて感想を書き切れないのですが、とにかく記憶にある限りの好きなところをつらつら書きました。たぶん、今年のベスト映画になると思います。アカデミー賞楽しみだね!それではまた。

 

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*1:クカの女優さんが個人的にツボな可愛さで、この方の出世作というオレンジイズニューブラックを見始めた。ダーシャ・ポランコさん。

*2:デザイン学校に向かってると思いきや、そこで出る布の端切れをゴミ箱から漁ってる描写がサラッとでてくるのとかすごい。街一番の美女なのにそんな感じなのだ

*3:なんでベニーだけ黒人なんだろうって思いながら観てたのだけど、ブロードウェイ版では、ワシントンハイツの中でもラテン系じゃないということでコミュニティの中でもよそもの、という立場の人として描かれてるっぽい。パンフレットでもちょっとそういう説明があった。

*4:タイタニックの音楽隊みたいな

*5:全然レベル感の違う話ではあるのだが、私も九州の田舎出身で、高校の進路選択のときに学校の先生が「早慶に行ける偏差値があるのに、家にお金がなく九州を出れないとかいう理由で地元の大学を志望校に選んだらダメ。子供に学力があるなら、借金してでも学費を出すのが親の務めだ」と言ってくれた先生がいたことを思い出した。