宝塚星組『GOD OF STARS -食聖-』紅ゆずるラストデイ感想

ライビュ観てきましたー、笑って泣いて大団円!な、もう最高のミュージカルすぎて、さゆみさんのことを好きだったひとたち、こんな演目で送り出してもらえたらもう思い残すことないだろうなっておもった!

 

星組を観るのは3回目。霧深きエルベのほとり→鎌足→食聖。今回のが一番、話としてもおもしろかったし、さゆみさんにしかできない演目!って思わせてくれる内容でとても楽しかった!!

 

紅ゆずるさん、オーラすごすぎてもう顔から光ってた。「”顔が派手”って才能なんだな」って思うひと、さゆみさんか柚香光さんくらいだ…。口が大きくて唇の形がすきだなあって思いながら見てた。口紅の形がくっきりわかる素敵なお顔!あとすっぴんだと切れ長アイなのに宝塚メイクするとほんとに目が大きくなってすごい。美人だなー、としみじみ…。

綺咲愛里さんは、今まで見た3演目とも全部演技が一緒(何やっても○○、って言われるの、あーちゃんかキムタクしか見たことない)なんだけど、とにかくめちゃくちゃかわいい。彼女が持っていたのは「ヒロイン力」なんだなと思う。それも、いわゆるガールズパワー的なヒロイン力じゃなく、素敵な男役をより素敵に見せることができるという、宝塚娘役的ヒロイン力。顔がほんとにめちゃくちゃ可愛いというのもあるけど(宝塚の品格的美しさというより、いわゆる女子アナ顔というか、マス受けする可愛さですよね)、さゆみさんとのベストカップル感がほんとにかわいい。ここ1年で見たトップコンビの中で一番”カップル”としてお似合いなのさゆあーだなって思う。基本的に寄り添いヒロインなのにレビューのときすごいキリリ顔で踊るのがギャップ。

 

演目『GOD OF STARS -食聖-』はほんとに最高の話だった!暖かいホームコメディだし、異国情緒が盛り込まれてて衣装も美術も華やかだし、さゆみさんのギャグセン大爆発だし、それに引っ張られるように星組生みんな大暴れだし、何より、初心者でもわかる、「全員当て書きか!?」って思うほど、さゆあー体制の星組全員への祝福に満ちた愛の溢れる脚本がすごかった。最後めちゃくちゃ泣いてしまった…。そもそも「GOD OD STARS」って言葉が、星組トップを務め上げたさゆみさん自身を指すすごいパワータイトルだよね。

随所に差し込まれる「こう見えても首席なんで」「お前口は悪いけど出会えてよかったよ!」っていうメタネタや、「ホンの後なんで継げないよ…」「星なんていらない、お前にくれてやる!」「絶対にお前より幸せになってやる!」っていう台詞の数々に、あ〜〜も〜〜〜〜〜!!!!!って何回も何回も思った。さゆみさんがことちゃんに渡すバトン、そしてそれを支える星組生へのエールを込めて書いた脚本なんだってすっごいわかって、めちゃくちゃ泣いた。あと、終盤で描かれた、ひっとんがことちゃんに言う「これから、仲良くしましょうね!」って台詞とか、「二人で空を飛ぼう〜」みたいな歌詞とか、も〜〜〜〜〜〜!!!!!かわい〜〜〜〜〜!!!!!って暴れだしそうだった。次期トップコンビへのエールみたいなシーンまで入れてくれるなんて出血大サービスすぎる…!きっと私がわからなかっただけで、星組をずっと見ていたひとならもっともっとオマージュやメタネタがわかるんだろうなあと思うと悔しい〜、全部のネタを解説してくれる記事とかあったら読みたい!!

舞空瞳ちゃんの役が、明確に”次期トップ娘役です!!”って感じの役なのもよかった。月組エリザベート観たとき、「さくらちゃん次期トップなのにこんなに小さい役なの!?娘役キャスティング、キツすぎる…!」って衝撃をうけたので、今回のひっとんの、メインヒロインとは全く別のとこで活躍する準ヒロイン感、とてもおいしかった。そんでもって歌も踊りも完璧すぎるし、顔もめっちゃくちゃかわいい。食聖観てるだけで、ことひとコンビかわいい〜〜〜!!ってうずうずしてしまったので、新生星組も楽しみ楽しみ。

ずっとキラキラな衣装来てた二人がこんなカジュアルな格好で大団円を迎えるの最高すぎるし、さゆあーのエプロンには「紅」、ことひとのエプロンには「礼」って書いてあるの最高すぎんか?

 

あーちゃんの衣装が全部可愛かった。ピンクのジャージ衝撃だったけどあんなに可愛く着こなせるのはあーちゃんだけ!水色のワンピースもかわいかったし、ポスタービジュアルに使われているアイドルみたいな衣装もばっちり着こなしててほんとにすごかった。そもそも髪の毛がピンクなのがすごい。超似合ってた。宝塚でこういう現代演目するとき、現代服っぽいのにちゃんと華やかな舞台衣装なのすっごくかわいいなって思う。

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あと有沙瞳ちゃんが気になります。鎌足のときの、美しく気高い女帝の役がめちゃくちゃ印象に残っていて(マジで上手すぎてすごかった)、そこで認識した方なんですけど、今回も有沙瞳ちゃんが歌ってると一発で目がいくというか、実力が高いひとってほんとに観ててわかるんだなあ、と思いました。

星蘭ひとみちゃんもわかる。なぜならとても美人だから。今回も、アイドル役という、とにかくビジュアル重視っぽいキャラに配役されてたので静かにうなずくなどした。

専科の華形ひかるさん、鎌足のとき全然かっこよく見えなくて、「この人結構台詞多いけど若手有望株なんかいな?」とか思ってた(私の見る目のなさに爆笑)くらいなんですが、ショーで見るととてもかっこよかった!思うに、男役バッチリメイクで唇をヌードカラーじゃなくて赤とかピンクで囲ってるときのほうが100倍かっこいい。伝統的な男役像って感じで、華形さんを見てると「今わたし宝塚観てるう〜っ!!」て気持ちになれた。笑

アイリーンのお母さん役の人、すごく上手で、えー!上手だけどヒロインのお母さんてことはあーちゃんより年上なのかな!?でもすごい年上にも見えない!どうなの!?とそわそわした。音波みのりさん。別格娘役さんてやつなのかな?覚えました!

あと、この舞台のどこかに稀惺かずとくんがいるのかなぁと思ったけど、見つけられず。早く見つけたーい!!

 

あとエルベのときそこまで心惹かれなかった礼真琴さんに完全に恋に落ちた(多分エルベのフロリアン自体がそんなにタイプじゃなかった。まともな男すぎてw)。あっ、わたし、このひとのこと好きになるって食聖のときからじわじわ思ってたんだけど、サヨナラショーで女役で出てきたときとのあまりの完成度の高さと圧倒的な可愛さにぶちのめされました。か、か、かわいい〜〜〜!!!顔がかわいい上にめちゃくちゃスタイルよくて、あと歌い始めるとうわこのひと歌うまっ!て毎回思っちゃう技術の高さ。なんでもできるひとだし、けど器用貧乏とかじゃなくてほんとにキラキラしててスターだなあって思う!!アイドル的な引力もあってすっごいすてきなひと!そして多分ひっとんとのコンビの雰囲気も好きなんだと思う。礼真琴さんの愛称が定まってないのにぞわぞわしちゃうよ〜、なんて呼べばいいの??まこっつぁんって呼びたくないよ〜!もっとかわいい愛称がいいよ〜!って思っているので、一旦ことちゃんと呼ばせていただくことにします(誰への宣言だよ)。

もうほんとにほんとにほんとに女役にドキドキしてしまって、これは男の子アイドルが女装したときにドキドキする気持ちにかなり似てるなって思った。そしてことちゃんは女性なので女の子の格好がめちゃくちゃ似合うのであった!!(当たり前体操〜)いやでも、この「女性が、男役をやってるんだけど、女装で出てくる」という何回も性別の概念をひっくり返される感じ、ゾクゾクするよ〜、宝塚っておもしろい〜!あまりにもかわいい上にすらりとしてドレスが似合うし、一途に恋してきゃんきゃん泣いてる女の子役ってのもあって、うわーんことちゃんが女役やった演目観たいよー!誰か全部まとめてくれー!!と思ってたら、既に有識者の方がまとめてくださっていた。インターネットありがとう!

zuka-note.com

 

レビューからのサヨナラショーも素晴らしく…デュエットダンスであーちゃんが泣いてしまったので私も泣いてしまった。けど、笑って終わりにするっていうさゆみさんの願いどおり、爆笑する場面もたくさんあってさすがだった!紅子の独壇場、まじでトーク力やばすぎって思った。「てか台風ふざけんなよ!!!」から始まるの、さすがすぎる!客席の台詞もちゃんと拾って全部面白く返してるの、タカラジェンヌの域超えてた。「はー、すみれコードぎりぎり」ってぼやきながら銀橋を歩いてるの最高すぎたけど、さゆみさんのすごいところはどんだけ関西弁でまくしたてても、下品だってまったく思わないところ。タカラジェンヌとしての品格、トップスターとしての重厚感を鎧のように身につけた上で、あそこまで盛り上げられるんだからすごいなあ。

同期からのお花でまぁ様が出てきたとき思わず手を握ってしまった…!少し前にWOWOWで紅さん退団特集をやってたとき、副音声がまぁ様で、二人が会話してるとこ見てたので嬉しかった。(あと超個人的な思い出なんですけど、地方に住んでたときまぁ様トップ時代の宙組の舞台を観たことがあって他のスターさんより思い入れがあったので…笑)

 

食聖が星組全員の門出を祝うつくりになっていたのに対し、退団挨拶はほぼトップスターしか喋らないのが、うわあ宝塚だなって思いおこさせくれました。私は結構関係性萌えの人間なので、さゆあーや、さゆみさんことちゃんがなんかアツい会話したりしないかな?なんて思ったんだけど、マジでさゆみさんしか喋らなくて、他の退団者も「私よりもさゆみさんが退団することが寂しいです…」って口を揃える感じ、宝塚の序列をしみじみ見せつけられてんなあと思うなどした。さゆみさんがとにかく本当に宝塚を大好きで、かつて宝塚に夢をみた女の子のひとりで、そこからここまで成り上がった道のりを思うとほんとにすごいなって思う。小林一三先生にまで感謝すると思わなくて笑っちゃったw私はさゆみさんの退団会見を何回読んでも泣いてしまうので、ほんとに、ほんとに、胸がいっぱいでした。

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紅は、組の思い出を「舞台の真面目さ120%の上で、遊び心を持って全力で挑む宴会」と話し、終始笑顔だった。が、組の仲間に残したいいことを聞かれると一変。「音楽学校は狭き門。入れなかった人の分の思いを背負って、舞台に立っているんだということを忘れず…」と言うと言葉に詰まり、大粒の涙をこぼし、止まらない。

 音楽学校入学前から、宝塚入りを目指し、宝塚大劇場を見るためだけにも足を運んでいた。「どれだけつらいことがあっても、宝塚の一員になれた。音楽学校時代は制服を着られるだけで、入団後は紋付きはかまを着られるだけで幸せだった」とあふれる涙が止まらない。「退団後、また入団できるならば、もう一度、入団したいと思うくらい、宝塚が大好きです」と力強く言い切った。

こんな美しい別れの言葉を紡げるさゆみさんはやっぱり生粋のタカラジェンヌだなーって思う。

 

宝塚、観れば観るほど「あの演目で○○の役をやってた人だ!」が増えて、ひとがわかってくるとどんどん解像度があがってくる感じがする。今回一緒に食聖を観た友達は「私は天寿光希さんが好きだとわかった」と連絡してきたので、「今回天寿さんそんな好きになるような役だったっけ…?」って言ったら「実は鎌足のときから結構気になっていた」と返ってきて笑った。 サヨナラショーも、ずっと観てれば観てるほど、曲や演出が意味するものが深く理解できるんだろうなあ。私まだまだ全然わからなくて、もっと知りたいよ〜、もっと意味をわかりたいよ〜って思った。

そして、ほんとに、退団までが短すぎない??認知できるほどの大きさの役をもらえてる人、大抵そのうち退団してしまう印象。スピード感がやばい。2年後くらいには全員知らない人だらけになってんじゃない??って思っちゃうんだけど、そうこうしてるうちにまた若いスターが台頭してきたりするのかな。まだまだ観たいな〜。

 

ヅカファンの人のブログを読み続けてると、なんとなーく人の名前とか覚えてきた。ヅカファンの方のブログ、「人事考察」という独特な文化があっておもしろい。あと、「お歌はこれから」とか「ビジュアルが私の好みではない」とか割と否定的なこともみんな書くのが他のジャンルであまり見かけない感じでおもしろいです(2.5次元舞台の感想ブログとかで名指しで誰かの技術を批判してるのあんまり見ない気がする)。

 

初心者にもわかりやすいむ〜さんのブログ

www.zuccazuccamu.com 

いつもとても勉強になるブログ。ジェンヌさんの名前が出てくるとき、芸名と愛称をどっちも出してくれるのと、組別で名前を色分けしてくださっているので非常にわかりやすく助かる…!

lillyssa.hatenablog.com

 

紅さん、かっこよかったなー。スターオーラってこういうことをいうんだなあと思わせてくれるとにかくビジュアルが強いクラシカルな男役さんであり、宝塚では稀に見る強烈なコメディエンヌでもあり、こんなにも個性的なスターを観ることができて幸運だったなあと思った。そしてこんなにクセが強いさゆみさんの横に立ち、さゆみさんより前に出すぎず後ろに隠れすぎず寄り添い続けられたあーちゃんはほんと相手役としてぴったりだったんだろうな。これが相性ってやつなんだろうなと思った。「さゆみさんがいなかったら私は今ここにはいません」「こんなに可愛いと思わせてくれる娘役は私には綺咲愛里だけです」って挨拶、宝物みたいな言葉だなと思ったよ。

 

紅ゆずるさん、綺咲愛里さん、輝かしい日々をありがとうございました!

礼真琴さん、舞空瞳さん、これからの舞台を楽しみにしてます!!