西郷どんって結局どんなひとだったんだろうね(2018年大河ドラマ総評)

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総集編を見ながら1年間の総括を書いています。

 

【どちらかというと悪かった点】

  • 子役が誰が誰になったのかわからない!!!!!ふきと中村半次郎はどの子役がどの大人になったのかわかるけど、それよりまず郷中の仲間たちを子役時代からどの子がどの大人になるか頼むからもうちょいちゃんと描写してほしかった。子役時代の描写を怠ったあと、そこまで有名じゃない大人俳優に切り替わるため、最後まで誰が誰かわからないまま進む。これは本当に大問題で、最終回にいたるまで、見せ場のシーンで何回も「これ誰!?」って思うことがあって、それってドラマとして死活問題だと思いました。無念…

  • お由羅騒動が何が何だかよくわからないまま始まって終わった
  • 西郷と大久保の少年時代〜青年時代の友情の描写が足りなかったと思う。まったくなかったわけじゃないけど、信頼関係を築くにいたる過程とか、郷中フレンズの中でも特に大久保との関係が熱かったこととか、もっとあればよかったのに…。これは脚本家のテクニックの問題なのか意思の問題なのかわからないんですけど、西郷→大久保への思いや友情がほぼ見えなくて、それが最後まで続いてしまって残念だった。なんとなく西郷にとって大久保は「大事な郷中仲間の一人」でしかないような印象を受け続けた一年だった。もったいねえ!!!西郷と大久保なんて史実なぞるだけでBLなのになぜここまでホモソーシャル感のない脚本になるの???もはやすごい
  • 橋本左内にせっかく風間くんを起用したのになんかもったいない使い方だったね…
  • 西郷の政治的意思があまりわからない。斉彬は「民のための国を作りたい」と言っていて、でも西郷は心からそう思っていたかというとよくわからない…少なくとも薩摩での青春編ではそう思ってた(民が圧政に苦しんでいた)ように思うけど、そのあと…どうなったの…
  • 西郷の周りには斉彬さまやら大久保やらたくさんのBLチャンスが転がっていたにも関わらず、なんと!突然出てきた謎の美坊主・月照さまとBLしてしまう!!!!なぜーーーーーーー!!!!!wwwww BLというのはそれっぽい画があれば良いというものではなく、そこの至るまでの過程が大事なのに、いかんせん西郷と月照さまの関係性がほぼ描かれないままシェイプ・オブ・ウォーターばりの水中ラブシーンに突入するなんて想像だにしませんでした。脚本家はBLのわびさびに興味がないんやと思う
  • 奄美編で島民のために薩摩役人に歯向かう西郷は確かにかっこいいんだけど、なぜ彼がこんなに立場が上の人に偉そうにできるのかは謎
  • 奄美に迎えに来た大久保が「薩摩といえば西郷じゃ」「西郷吉之助は薩摩の宝でごわす」とか言うんだけど、この時点でなぜ西郷がそこまで言われていたのかを描かれていなかったのが残念。薩摩が混乱していて、不在にしている西郷が待ち望まれたヒーローのように偶像化してしまっている…とかの描写があればまだ納得しやすかったと思うんだけど、残念ながらこのドラマ内で「西郷は偉い人」というフレーズが出てくるときは、形骸化したヒーローではなく本当にヒーローとして扱われているということだったので、そこの描写がないと西郷が祭り上げられることに納得感がなかった(これは最終回までずっと続く)

  • 西郷新吾の登場、急すぎ!!!!!こんなに重要人物として出てくるなら、子役時代になんらかのエピソード入れるなりしてほしかった。私の友達は錦戸亮くん初登場時、渡部豪太くんが大人になった姿だと本気で思ってたらしい(笑える話ではあるんだけど笑えない話でもあります)

  • 小松帯刀の扱いが雑で無念。顔の美しい町田啓太さんが演じられていたのでかろうじて存在感は出てたんですけど、いきなり「亡き殿が仰せになるには、西郷をどう扱えるかで君主の器がはかれる」とかなんとか良いこと言って西郷をかばってくれるのが実質初登場みたいなかんじだったんだけど、その後もメインキャストなんだかモブなんだかよくわからない微妙な登場が続く。いいのか?去り際もちゃんと描かれなくてかわいそうだった
  • 有馬さぁの「おいごと突けーーー!!!」は本当に名シーンだったんだけど、ここまでに郷中仲間との絆を描いてこず、有馬がどんなキャラでどんな思いでどんな立場になったか、西郷や郷中の他の仲間と彼個人がどういう関係だったのかがほとんど描写がなかったため、こんな名シーンなのに感情移入ができない
  • 薩英戦争を描かない薩摩大河はアリなんか?
  • 島から帰ってきた西郷に大久保が「おいは3年間ずっとおまんの言葉を考えちょった…」と言う台詞があるんですが、”おまんの言葉”って何〜〜〜?!?!?(最後までわからず)

  • 革命編が急展開で進みまくるので今どことどこが戦っているのかに追いつくのが難しい。ほとんどの流れをナレーションが説明してしまうのも惜しい。「なぜこことここが戦うことになったのか」をドラマで描いてほしい

  • 西郷がいきなり戦の大将(?)になってるのはなんでなの??
  • 西郷が「刀を捨ててくりやい!決して命はとらん!」と言ったにもかかわらず長州藩が攻めてきたため、戦を終わらせられなかった…みたいな不必要なヒューマニズムが白ける
  • 焼けた京の街を普通に歩いているふきちゃん(将軍の側室のはずでは…)という謎
  • よく考えるとタイトルロールである「西郷どん」という呼び方、勝海舟と川口雪蓬しか呼んでいなくて、謎

  • 傷ついた長州藩の兵を密かに手当していた西郷の心意気に感動する長州藩…?????
  • 革命編でずっと怒鳴り散らかしているヒー様、一橋慶喜として解釈違いでは?なんかすごくばかっぽく見えて残念
  • 西郷が一橋慶喜に刀を向けるシーン、「決別」のメタファーなんだなとは思うけど、そこに至るのが急すぎて「んなわけなくない?」というシンプルな感想が先にきてしまう
  • 琴ちゃん好きだから最後まで出てきてくれて嬉しいんだけど、嫁に出て行った琴ちゃんがなんで常に西郷の家にいるのかは終始謎だった(いや手伝いに来てるのはわかるんだけどさ…)
  • 岩倉具視がただの鶴瓶さんすぎる。冷遇されてるときは別に気にならなかったけど、偉い人になって政府でぎゃーぎゃー騒いでる岩倉具視はただのうるさいじいさんすぎて見ててやかましかった。あと、ひねくれてる岩倉具視を説得するシーン、急に出てきた岩倉の息子が説得して、その息子は今後出てこないのはさすがに悪手すぎる。西郷どんは全編通して、「その回のキーパーソンがその回だけ出てくる」パターンが多すぎて、長編ドラマとして見応えがなかった
  • 西郷がなぜ政府を倒したいのかよくわからない。「政府を潰さにゃならん」「今の政府は腐っちょる!」と言うたびに「具体的にどのんへんが???」と思う羽目になった。そこをドラマパートで描いてほしかった。したがって、西郷がなぜ長州藩と組みたいのかも謎
  • 急に薩摩に来た坂本龍馬がいきなり国父様に会えるなんてことあるのか??政治の根回しがなさすぎ
  • 下関で桂と会合しようとするシーンはまじで最悪だった。まず、長州を憎んでいる海江田に手紙を渡す役目を任せるなよと言いたい。あと、そもそも海江田って誰?????いや郷中フレンズの仲間の一人ってことはわかるんだけど、誰???どの子役???大人になってからどういう役回りの人?????極め付けはこんな重大な案件で事故を起こしたにもかかわらず特にお咎めもなく次回以降出てくるということ。いいの?????このことについて西郷はどう思ったの?????これが失敗したことで薩摩全体にダメージはなかったのか?????なんかそういう、ストーリーの前後が繋がっていないことにモヤモヤする……
  • 大久保の「天が味方せんときはおいが味方してやる」はほんと熱烈ないいシーンでいい台詞だと思うんですけど、そこに至るまでの過程が、ないので、なんか…大久保の空回りに見える…だってこの時点で西郷は大久保にそこまでの気持ちを持っていない(ように見える)し…
  • 薩長同盟は…なんなんや…これは…?????急に出てきた留学生の友情の話(まじで急)(その後出てくることもなかった)にほだされてこんな難しい同盟が結ばれるなんてこと本当に…あるの……?????最終的に西郷の器の大きさに桂が負けた感じになってたのも都合よすぎて興ざめだったなあ…
  • パークスとの外交がなぜかうまくいく西郷…そんなことあんの?
  • 西郷ってなんだかんだで愛加那のことは愛してたと思うけど糸に対して愛してるよとか惚れてるよ的な言葉言ったことなくない?悪い男ー!
  • 慶喜公は異国に薩摩を売ろうとしている、というのが何%史実なのかわからなかったのですが(ほぼ創作っぽいけど)、だから政府を倒さなきゃ!に繋げるのはなんか…思い切ったね…(悪い意味で)というかんじ。倒幕ってものすごく大きな出来事なので、そこを創作しちゃうのは何がしたいのかよくわからない。慶喜をそんなわっかりやすい悪者にしないと西郷の動きを描けないのか?
  • 「誰になんと言われようとおいは慶喜を討つ」という西郷、逆になんでそこまで???と思ってしまう。なぜなら慶喜の悪いところを「日本を異国に売ろうとしている」という創作でしか描けていないので…
  • せっかくおりょうさんに水川あさみさんを起用しといて、もったいない使い方したねえ… なんの前触れもなく薩摩藩邸に西郷に助けを求めに来たり(急すぎ)、龍馬が死んだら西郷に「あんたが殺したんや!」と言いに来たり、西郷を祭り上げるために都合のいい使われ方して、3回くらい出て終わっちゃったの本当に残念
  • 勝海舟との会談で「お前さんたちの喧嘩だ、お前さんたちで片をつけるんだ」って台詞としてはかっこいいんだけど、倒幕運動って慶喜VS西郷の個人的な喧嘩だったの!?という驚き
  • あんなに絶対慶喜殺すって息巻いてた西郷が、勝海舟との会談で心を変えるのは、まあ史実だからそう描くとして、決定打が「民を巻き込むのは間違っている」になるなら、最初からそう描くべきだし、随所随所西郷は民のことなんて頭からすっぽぬけて戦いまくっていたはずだが、ハテ……???みたいな気持ちになる。ただでさえ「民のために!」は使うのが難しい切り札なので(主人公がきれいごと言ってるだけの上っ面な人物に見えかねないので)なんかもうちょい描いてほしかったです
  • 江戸城無血開城のあと、篤姫が西郷に「そなたの決めたことには逆らえません」とか言ってるけど、篤姫の方が立場が上なのでは…?
  • 幾島が「やっぱりお人好しやねえ」って言うんですけど、お人好しだから戦争をやめた、なんてことにしちゃっていいわけがない
  • ドラマの最初の方のアオリで「西郷と篤姫の絆が後にこの国を救うことになる…!」的なのがあったと思うのですが、そんなシーンは特になかった
  • 吉二郎が戦死するシーンはすごく良かったんだけど、吉二郎はそもそもなぜずっと家で働いていたのかがわからないため、背景がわからずいろいろと惜しい(長男と弟たちは戦働きしているのになぜ次男の吉二郎だけ戦働きの経験がないのか、その時代はどの家もそうだったのか、吉二郎の意思だったのか、薩摩藩邸にはおつかえしているのかなど、描写がなさすぎてよくわからない。というか描写がないのでそこをうやむやにしたまま進めるものだとばかり思っていたから、急に「戦働きがしたい」と言い出して、出た戦で死ぬっていう急展開がかわいそうに感じた。頑張って描いていたほうだとは思うけど)

  • 「幼か頃から西郷吉之助の背中を追いかけ、言うことやることをすべて信じてきた」的な大久保の台詞……そうだったっけ?って思ってしまうのが残念(なぜならそんな描写はないので)、あと大久保の気持ちが空回りしてるだけに見えるのも残念。いまいち西郷と大久保の”友情”を描ききれてないんだよな…大久保が西郷をめっちゃ好きなのは伝わってくるんですが…

  • 語りが実は西郷隆盛の息子・西郷菊次郎でした!っていうのが第39話で明らかになるんですけど、語りが実は息子だったことが何か効果的だったかというとわからない…このタイミングで判明させた意味合いもよくわからない…

  • 迫田孝也さんを役者としてドラマに出してくれるのは嬉しかったんだけど(真田丸のファンなので)、せっかくなら薩摩弁のキャラで出してあげてよと思った。なんでこんなとこでキャスティングミスるの?江藤新平がめちゃめちゃおいしい役だったらまだわかるとしてなんか特にそこまで迫田さんを江藤新平にわざわざキャスティングした意味わからんかったな…(真田丸の三十郎はあんなに良かったのに…)
  • 戊辰戦争、やった????記憶がない。記憶がないのに、いつの間にか「西郷は戊辰の英雄」とかいう台詞があって私は大混乱
  • 久光さまの成長をちゃんと描かなかったため、終盤「こんやっせんぼ!やり抜け!最後までやり抜くんじゃ!やって、やって、そいでも倒れたときは、こん薩摩に帰ってこい!!西郷、新しか政治は、こいからの若いもんのためにあっとじゃ」というスーパー名台詞があるのに、全然この台詞を放つに至る心境の変化がわからんので、悲しみ…… 大河ドラマにおいて、時を経て”先代の言葉を二代目が言う”みたいなのって胸熱展開のド定番だってわかるからこそ、この台詞を言わせたいと最初から思っていたならなぜもっと丁寧に久光と西郷の関係性の変化を描かなかったのかという気持ち

  • 長屋の民たちが西郷を慕っているベタすぎる描写が逆に冷める なぜ慕っているのかその背景を描いてほしいのに、「慕ってます!」と言葉で言わせるだけなので共感できない

  • 女子中のいじめみたいな新政府、ほんとにそうなの?
  • 大久保が自分のやりたいことを通したいがために、気に入らない人をやめさせようとするの、民主主義じゃなさすぎて、なんだか政治の話なのに論理的な感じがしない。政治の話っていうのは敵にも味方にも筋が通っていてその上で互いの正義がぶつかり合うところに物語が生まれるんじゃないのか??西郷以外の人を全員ばかな悪人に描くのはしょうもない
  • 征韓論の話が征韓論っぽくないというか、朝鮮国にいる日本人を救わなきゃみたいな話がメインになっていて謎。そうだっけ?「礼節を重んじて接すれば必ず大丈夫」みたいな精神論をこんな偉い役人になってまでぶちかます西郷が政治家として無能っぽくて心配になる。政治ってもっと難しいよ…多分…

  • 明治政府編から大久保が闇落ちするのはともかくとして、すげー嫌な奴みたいな喋り方にさせなくてもよかったんじゃ…?
  • 「おはんを憎むことなどできん。幼か頃からずっと二人でやってきた…」という台詞があるのですが、ずっと二人でやってきたシーンが特に思い当たらないため、無念…
  • ふきちゃんやらおゆうさんやら、他の男の女たちも西郷の味方っぽいのが謎
  • 薩摩で士族を集めたらそら反逆すると思われるやろって誰でもわかるのに、「そうじゃないから大丈夫〜!」って本気で言ってる西郷が怖い。
  • 大山さぁが大久保に「先に行って有馬と待っちょっで」などの壮絶な呪いの言葉を吐く牢のシーン、ほんっとにすごく良いシーンだと思うのに、だからこそ、郷中の仲間との絆をもっとちゃんと描いておけば、何百倍も切ないシーンになったはずなのに……!!!という気持ちが拭えない。幕末薩摩ものを描くにあたり、西郷と大久保だけでなく、子供のときから友達で仲間だったひとたちが少しずつすれ違っていって、立場が変わって、それでも友情は残っていて…が後半の見所になるのは当たり前すぎるくらい最初からわかっていたはずなのに、なぜここの友情とすれちがいをもっとちゃんと描いてくれなかったんだろうと毎回残念に思ってしまいました。このへん、三谷幸喜さんの得意分野なんだよなあ…とも思っちゃった。三谷さんならどう描いたかな…
  • 中村半次郎のキャラの肉付けをきちんとやっていないため、終盤ずっと出るのに、そこまで感情移入できない…なんでだろう…役者が熱演すればするほど台詞が上滑りしてしまっていてもったいなかった。子供の頃西郷に助けられたことはちゃんと描いているのに、それだけだと彼がなぜ西郷にここまで心酔するのかわからないのだなあ…半次郎自体がどういうキャラクターなのかがわからず、西郷先生を持ち上げる、自分の意思のない若者の一人でしかないのが残念。
  • 士族たちの「どこにもいけなさ」を描けばいいのに、そうじゃなくて政府への反逆心ばかり描くので、西南戦争の本質が見えてこない。西郷の「おいが侍たちを抱えて死ぬことで侍の時代を終わりにする」的な言葉は最後の方で西郷の口から出てくるんですけど、多分本当にそうだったと思うんだけど、なんかいまいちそこに至るまでの西郷の思いや覚悟や諦観が見えてこないんですよね。西郷は情に熱いひとだと描かれていたけど、一方で誰に対しても優しいというのは本当は誰にも優しくないようにも見える…なんだかよくわからない
  • 「視察」と「刺殺」の読み間違えで西南戦争起きるの…!?!?!?まさかのダジャレ!!!!!
  • 西郷の末弟・小兵衛という男の子がいるんだけど、途中までモブキャラかと思ってて、マジでいつ初登場したのか覚えてない。しばらく息子かと思ってた。違った。最後まで名前も覚えられなかった。
  • 新八にフランス人のアモーレがいる話、いるか?
  • ハンバーグ師匠、気づいたら西郷軍にいて最後の西南戦争に参加してるんですけど、この人、もともとは島津家に仕えてる人だったよね!?!?!なんでいつの間にか西郷についてるんや?????
  • 軍人1万人連れて上京しようとして「ただ話をするつもりだった」がうまくいくわけないやろ
  • 山県有朋が、西郷を攻めることを決断できない理由として「ここにおる者で西郷さんの好意を受けたことのない者はおるのか」という台詞があるんですけど、そんなシーンはどこにもなかったので私たちは知らない。真田丸であんな良い役だった村上信悟さんなので、話題作りのためだけにこんな端役やらすなよという気持ち
  • 男尊女卑レベルが場面によって変わるのでチグハグな印象をうける。最初の方はわりとうまいこと当時の男尊女卑を描いていたと思ったんだけどなあ(母親であっても別の机で食事するのとか)…特に、糸さぁが軍人を叱りつけるシーンが何度かあり、なぜ糸だけが男性にこんな態度をとれるのか謎だった。満寿さんはあんなに大久保の亭主関白に従っているのに、ハテ…

  • 子供のときにみんなでCagoxinaって石に描いた場所で最後の戦を迎えるという描写は確かに良いようにも思うんだけど、そこにいるのが西郷・新八だけとかならまだ良かったと思うんだけど、その2人+その他の人々なので、伏線回収になってるようななってないような微妙な印象を受けてしまった。
  • 「おいが誰か知っちょっとか!人斬り半次郎じゃあああ!!!」って台詞確かにかっこいいんだけど、いかんせん半次郎が人斬りをしていたシーンが特にないため、「いつの間に!?」感が出ちゃう…。こういう、キャラにとって最大の見せ場で「そうだっけ?」って視聴者に思わせちゃうのってドラマとして最悪じゃないですか?
  • 「おいが葬ってやっで…半次郎ーーー!!!」と幼馴染が半次郎を撃つという衝撃的な名シーンがあるんですが、この子誰だっけ!?!?!なんでもっとちゃんとこの2人の友情を描いておかないんだよーーー!!!
  • 大久保は西郷の死を知ると鴨居に頭をぶつけながら泣いたという有名な史実があるので、なんでそれをしないんだろうというシンプルな疑問が先に来てしまう、別に家の床に崩れ落ちて泣くのでもいいんですけど…。なんかそういう、史実をただなぞるだけでドラマチックな場面で史実をなぞらないという罪(?)を犯しまくったドラマなので根本的に脚本を信頼できないんだと思う。西郷の最後は自死だったという史実も謎に改変していたが、うーーーん、納得感はあまりなかったです。
  • 出て行ったはずのふきちゃんがなぜまた慶喜と一緒にいるのか
  • 最終的に西郷隆盛は若者たち、子供たちに何を遺したかというところがふわふわしているので、ところどころ「西郷先生はいつもこうだった」「父上はこう仰っていた」的な台詞が出てくると「そうだったっけ??」ってなる

     

【どちらかというと良かった点】

  • 西郷隆盛の子役、本当に西郷隆盛の子役ってかんじする

  • 第1回の子役たちのみずみずしい演技は本当に良かった!!

  • ケンワタナベのカリスマが凄すぎる。。。本当に本当に、島津斉彬渡辺謙さんが演じてくれてよかった!「持ってけ、口止め料だ」「あぶねえじゃねえか!」「めそめそするなこのやっせんぼ!」など、薩摩でただ一人江戸弁でしゃべるお殿様のかっこいいこと〜〜〜!!大河主演の大先輩として、鈴木亮平さんにとっても渡辺謙さんは師匠になるわけで、そういう意味でも役と役者が重なるようなキャスティングがお見事

  • ボーイ・ミーツ・お殿様という大河ドラマ少年時代編としてベタだけど最高な演出!(ベタっていうのはつまり最高ってことなんですよね)たとえ創作だったとしても「本当にお殿様と出会ったのか、それとも、天狗だったのか…」と史実に空想の余地を残すような脚本はよかったね

  • 主人公のお父さんとお母さん、良かった。お母さんをおぶって桜島を見にいくシーンの美しいこと…!
  • 西郷は生涯弱き者の味方である、と描きたいんだろうなあ…ということを、少年時代〜青春編でいくつかの切り口で描いているのはよかった

  • 赤山先生役の沢村一樹、見事な薩摩弁!!当時「他の出演者に比べて沢村一樹の薩摩弁がナチュラルすぎて、逆に目立つ」って鹿児島の視聴者さんがツッコんでたの面白かったな…笑
  • 鹿児島県出身の俳優をたくさん起用していたことは本当に良かった。桜庭ななみちゃんと柏木由紀ちゃんは出してあげたいなあと思っていたのでうれしかったなあ!
  • 薩摩時代のプリンセス北川景子さまは無邪気で美しくて頑張り屋さんでよかった 篤姫にぴったり〜って思った。なにげに時代劇初出演だったらしいのですが、和物のプリンセスもすっごく凛として美しくて素晴らしかったのでこれからもたくさん出てほしい!
  • 若くて溌剌とした青年〜中年太りの軍人まで1年間で役作りした鈴木亮平さん、本当に本当に本当にすごい

  • 大久保に「こげな嫁の言いなりになりおって〜!」って言われたとき「人の女房の悪口を言うなーーー!!!」って間髪入れずに大久保を殴れる西郷は確かにモテ男すぎる。別に須賀ちゃんと恋愛したわけでもないというところも萌え。
  • 須賀ちゃんとの離縁は切ないけど美しくて良かった。橋本愛ちゃん、美しい…
  • 幾島役・南野陽子さん最高すぎ。代役だったと思えないくらいのはまり役で素晴らしかった。春画を出すコミカルなシーンから、春画を焼くシーンの悲しみまで…「控ぁえよ」の言い方とか、印象に残ったシーンたくさんあります!
  • 徳川家定を又吉くんがしたの絶妙!めちゃくちゃよかった。よくある「愚鈍な殿を演じているが実は賢い」パターンではなく、本当に病弱で頭も弱い(今で言うところの自閉症みたいなかんじやったんかなあ)、でも心がすなおで優しくて、そういうところで篤姫と心を通わせていく、という脚本はよかったなあ
  • 島津斉興・お由羅さまのキャスティング良かった〜。お由羅さまの一筋縄でいかない雰囲気、小柳ルミ子さんさすがすぎ。「お久しぶりね」ってセリフ、笑ったw
  • 地震の中、西郷に「私をどこか遠くに逃がして」って言って、はいって言われて、その言葉を聞いて御台所になる覚悟を決める篤姫さますっごくよかった。ああいう瞬間に人の心って決まるんだなあ、という感慨というか…。西郷は本当の意味で人を救えないけど、目の前にいる人の心は救うんだよねというのの最たる例。
  • 琴ちゃんが夫を兄に紹介する「おかげさまで、仲良くやっちょりもす♡」っていうセリフ可愛くて印象的だった、今でも覚えてる!桜庭ななみちゃん、さすがの薩摩弁のナチュラルさ。
  • 高梨臨ちゃんのことが私は本当に大好きなので、遊郭で華やかな格好とお化粧してヒー様のお気に入りやってるふきちゃん、ソーキュートで大好きだった。遊女になってもう普段は薩摩ことばじゃなくなってるのに、西郷と再会して、実はね…って感じで薩摩弁でしゃべるシーン、本当に可愛くてすき!
  • 一橋慶喜が偉くなる前、まだ「ヒー様」だったころ…松田翔太くんのクールな眼差し、都会育ち感、ガチで身分高いです感が本当にハマってた。彼の将軍になりたくない気持ちと、将軍になる覚悟を決めるまでの過程は丁寧で良かったと思う。
  • 瑛太さんそのものはクールな人だけど顔は熱苦しいので(褒めてる)、大久保一蔵の「賢くてクールだけど根は熱い薩摩隼人」な雰囲気がよく出ていた
  • 私たちはみんな13代目将軍徳川家定のあと、一橋慶喜が14代目将軍にならないことを歴史の教科書から知っているのに、彼が14代目将軍になれないことがほんとうにこの世の終わりみたいに感じられたので、その時代の空気感をよく表してたと思う
  • 吉之助の日向送りが決まって、俺はまだ諦めんどって奔走する大久保…愛…
  • 奄美編、良かった。今じゃ奄美大島って「日本のリゾート♡」的な立ち位置だけど、昔はほぼ植民地みたいな扱いで言葉も違って、モノカルチャーと圧政に苦しんでいた史実を正面から描いたのは誠実。そういう歴史があったことは忘れないようにしたいなと思いました。「私たちは”民”の中に入ってなかったんだ」というとぅまのセリフは鋭いですね…。最初の方、刺青の入ってるおなごの作った飯など食えるかってご飯を投げ飛ばすなどの、当時の差別の描写は一応描かれていたと思います
  • 二階堂ふみちゃん、素晴らしかった。妖艶な役が似合う女優さんのイメージだったけど、小柄で日に焼けて、純粋でまっすぐでまぶしい女の子である愛加那ちゃん本当によかったなあ〜〜〜、沖縄出身のふみちゃんをキャスティングしたというのも良かったですね。「私をアンゴにしてくりしょり…」「おいの命を救ってくれたおはんをアンゴになんてできっか…おいの妻になってくいやい」のシーンの美しさ。愛だねえ!!
  • 島津久光の登場時は可愛かった。ネット上で「ひさみちゅ」と呼ばれる愛らしさ(役者さんがエゴサしてて、ひさみちゅ呼びを把握してたのも笑うw)

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  • 有馬さぁの「おいごと突けーーー!!」の大迫力、すごすぎる。美術班の本気もすごい。有馬の返り血で濡れた紙を大久保に押し付ける大山の「お前も背負え」という無言のメッセージが壮絶

  • 錦戸亮くんがここまで演技派だとは知らなかった。登場時、「こいでおいも郷中のうなぎとりの仲間入りができた」ってはにかむ新吾の”国民の弟”感すごくなかったですか!?終盤にいたるまで錦戸くんの演技力にかーなーーーり助けられてるシーン多かったと思います。特に、新吾が迷ったり動揺したりしてるとき、目の揺れや喉の動きで繊細な心情の変化を表してるのいつもすごいと思って観てた。

  • エンケンさんの勝海舟、ぴったり。政府につかえるカラッとした江戸の男!
  • お満寿さん大好きだった!美村里江さん、美人で賢くてチャーミングな薩摩のお嫁さん役最高すぎる。大好き!旦那をたてつつ、糸さんや琴ちゃんたち女子組のまとめ役っぽいことしてる、優しいしっかり者感すごく良かった〜
  • 糸の結婚の回は泣きました。私、娘が人生を決める瞬間に父親が背中を押す演出に弱くて…特に歴史ものだとね(女性が自分自身の人生を選択できることって少なかったでしょうから)。「今度はおまえが決めたらよか」っていう台詞すっごく好きでした。当時そんなことを娘に言う父親がいたのかはわからないですが、そういう優しいお父さんもいたのかもね〜と自然に思える、印象的なシーンでした。あと、なんだかんだ、糸に「惚れてる」と言わず「糸さぁがうちに来てくれたらみんな喜ぶ!」という最低告白をしてしまう吉之助(ほんと最低w)が一応一度振られるのも良かったと思います。そのあと、西郷家の人たちが「父上も言っとったど。『まず相手に惚れっこっちゃ、そこから夫婦は始まる』」「おなごは嘘でも惚れたっち言われたかものですよ」などなどやいのやいの言われるシーンすきでした。当時は別に恋愛結婚じゃないのが当たり前だったと思うけど、それでもその時代なりに良い夫婦の在り方ってあったはずだよねと思わせてくれる、好きなシーンです。
  • 結婚を決意した糸さぁが橋まで走って吉之助を追いかけるシーン、糸さんの足が速い設定ここで活きるのかあ!!と思ってぐっときました。「チェスト、きばれー!」って叫ぶ糸さぁのシーンよかったね
  • 玉山鉄二がめちゃめちゃ男前なので、桂小五郎は男前という史実通りで最高です。長州弁(「◯◯くん」「僕」など)はやっぱりかっこいい〜
  • ちょっと怪しい政治コンサルタントな野性味溢れる小栗旬坂本龍馬はめちゃめちゃ最高でした
  • ハリセン春菜さんのお虎どんはめっちゃ最高。かわいいしおもしろい。シリアスなシーンでもお虎さんが「西郷はああん!」って泣いてるとこいつもクスッと笑えてよかった。
  • 長州との会合を一度失敗する西郷ですが、肩を落として泣く西郷に「それでももう一度長州に会おうとするんじゃろうが。天が味方せんときは、おいが味方してやる」という大久保の名台詞!からの「チェストーーーー!」って大声で叫んだあと、優しく「きばれ。」って言う緩急すごく良かった。「チェスト!きばれ!」という励ましの言葉はこのドラマの中で何度も出てくるのですが、この緩急つける言い方にしたことで、この励ましの言葉が特に意味をもつ西郷の挫折のシーンをより印象深く表現できてるなあと思います
  • 北村有起哉さんまじでいい。郷中フレンズの中で唯一見分けがつく。演技がくっそうまい。
  • 水川あさみさんのおりょうさんぴったり。大好き!キャスト発表されたときから絶対ぴったりだと思ってた。「今日も明日も、おきばりやす」という台詞とかは賛否分かれてたみたいですけど、個人的にはなんか面白くて好きでしたw
  • ピストル使う龍馬めっっっっちゃかっこいい。なんか実写版ルパン三世が頭をよぎった(地味に玉山鉄二も出てたなそういえば)
  • パークスめっちゃ似てる。「No more Namako」はなんだかんだでおもろい
  • 愛加那さんってどんな人だったんですかと糸に聞かれて、愛加那を素直に褒める西郷、にぶちーーーん!!!笑
  • 徳川慶喜の写真すごい再現度で笑った
  • エンケンさんの勝海舟、うまい〜 交渉が上手だったんだなあというのが伝わってくる。「わかってるよ、都合のいいことを言ってるのは…全部が全部思い通りになるとは思っちゃいねえ」「何百万人の民を苦しめたその先にある国づくりに、何が待ってるっていうんだ」という言葉とか、人の心に響く言葉を喋るので説得力があるなと思う
  • おばあさんになった幾島の演技すごい、南野陽子さんすごい
  • 「西郷、我らはいつまでもそなたを見ちょっで」と、花嫁修行時代に幾島から禁じられていた薩摩弁で西郷に声をかける篤姫さま…西郷と篤姫の薩摩時代の絆を描いてきたことが生きるねえ!!
  • 吉二郎の死のシーンは壮絶だった。吉二郎を失って、薩摩の家で大泣きする吉之助のシーンはめっちゃもらい泣きしたし、いや弟の死で心が折れて薩摩に帰りたくなってしまうの?政治のことはどこいった?と思わなくもないシーンなのですが、それすら視聴者に納得させてしまうほどの名演技でした。
  • 第4期からOPのクレジットの最後が大久保利通になるのはすごくいい。裏主人公ですもんね…
  • 極めて個人的な感想ですが、私は福岡の女なので、佐賀弁を喋る迫田さんが見られたの嬉しかった(博多弁と佐賀弁は極めて似ているため)
  • 西郷と大久保が、政府の偉い人になっても、薩摩の隣の家で育った幼馴染感がちょっと顔をのぞかせるのはきゅんとくる
  • 西郷と大久保の決別で大久保が涙をこらえきれないの切ない
  • 鹿児島県令である大山さぁが牢で大久保と直接対決するシーンめっちゃめちゃ良かった。「何があった、友じゃろうが!!」「違う違う違う!(薩摩弁でちごうって読むのよね)」「一蔵、先に行って、有馬と待っちょっで」ってすさまじい呪いの言葉だ…北村有起哉さんの役作りと台詞の読み方のおかげで、すごく印象的な場面になったと思う。名シーンでした。
  • 西南戦争の終盤になってまで糸さぁとの家族シーンを入れることの是非はともかくとして(史実らしいので仕方ないですけど…)「私の願いは、ひとつだけ…旦那さぁが、西郷隆盛じゃなかったら、どんなに良かったか…吉之助さぁが、ただのおひとじゃったら、どんなによかったか…」は本当に美しい別れの言葉だと思いました。黒木華さんの文学的な佇まいの真骨頂だねえ
  • 琴ちゃんが新吾に詰め寄るシーンは泣いてしまった。あの立場の女性が本当に弟に「小兵衛についで、今度は兄さぁまで討つつもりか!そんなことになったら、二度とこの家の敷居をまたがせん!二度とこの薩摩の地を踏むな!」とまで言うかはわからないけど、琴ちゃんって隆盛の妹でみんなのお姉ちゃんなんだよな…と思って感慨深かった。琴ちゃんはずっとキャラがぶれなくてこの台詞に至るまでの複雑な立場がきちんと描写されていたのでこのシーンが好きなのかも。
  • 最後の戦いの砲弾の音を、西郷家の人々や、国父様と郷中時代の幼馴染、新吾と新政府時代の仲間が、遠くで聞いている描写すさまじかった。
  • 内国博覧会と西南戦争を対比させるのすごいなあ。大久保の挨拶の言葉が詰まってしまうところ、胸が痛くて、痛くて… 大久保利通ってすごい人生歩んだひとだよなあ。家に帰って、「吉之助さぁ…うぁぁあぁぁ… 吉之助さぁーーー!」と咆哮するところはさすがに泣いた。
  • 「おいが誰か知っちょっとか!人斬り半次郎じゃあああ!!!」って叫びながら人を斬りまくる半次郎、めっちゃかっこよかったです。撃たれて死ぬ直前、ニヤリ…と笑う凄み、雰囲気あったなあ
  • 半次郎の薩摩時代からの幼馴染が「おいが葬ってやっで…!半次郎ーーー!!」って半次郎を撃つという演出すさまじすぎない?同士討ちが幕末の一番の悲劇だと思うので、そのすべてがあのシーンにつまってた。この2人だけじゃなくて、きっと何人ものここで戦っている子たちが、かつての友人と敵対していることを想像させる
  • 西郷の死を聞いて、愛加那ちゃん、ふきちゃん、慶喜さま、勝海舟、久光さまなど、西郷を愛した人、支えた人、対立した人も、一人の偉大な男の死を悼んで空を見上げる描写、すごくよかった。一人の男の死が、ひとつの時代の終わりを告げて、残されたひとたちはまた次の時代を生きていくというのが歴史の醍醐味のひとつだと思います
  • 「もうここらでよか」と言って死ぬ西郷と「まだ死ねん」と言って死ぬ大久保は最後まで対照的だったのね…
  • 総集編の終わり、よかった!!本編もこれで終われば良かったのにと思うほど。第1話の糸の「うちの人はこげなひとじゃありもはん!」の台詞を流して「なぜ母・糸がこのように言ったのか、お分かりになるでしょう」というナレーションからの、若武者だったころの吉之助、肩の傷、桜島、「チェストじゃーー!」の雄叫び!このラストシーン、何が言いたかったのかすごくよくわかる。本編の終わりはあまりすっきりしなかったので、総集編観てよかったなあって思いました。

      

【総評】

後半の政治描写について、もろもろ足りてないところが多すぎて、後半は物足りなさやもどかしさを感じる大河となってしまい残念でしたが、総集編を見ていると、ああ前半のこのへんわくわくしてたなあとか、このシーン好きだったなと思うところも結構あったので、感想の読後感が良くなるように、良いと思った点を記事の後半に持ってきてみました。 多くの方と同じように、役者の熱演はよかったしキャスティングや美術は豪華だったのに、脚本がなあ〜…というのが私の総評です。歴史ものとして、政治の描写が圧倒的に足りなかったし、ドラマとしても、人と人との関係性が描けてないしで、長編ドラマとしてやっぱりあまり質は高くなかったんじゃないかと思います。ただ、SNSを見ていると、好きだという人もたくさんいるみたいだし、視聴率的には真田丸や直虎と比較して目立って落ち込んだということもなさそうなので、好みの問題と結論付けて良いの…かな……私にはわからない……。私はやっぱり、大河ドラマとしての見応えはあんまりなかったように思いました。題材が題材だけに、もっと上手くやろうと思えばやれたんじゃないかなとどうしても思ってしまうことが多かった。西郷の目を通して見た武士の時代の終焉とか、運命に翻弄される仲間との友情の行方とか、そういう、「ああこのことを言いたくてこのドラマを作ったんだな」とわかる、ひとつの大きなテーマが見えてこないのがもどかしかったかな。特に、「西郷隆盛は常に、人の上に立つのではなく弱いものの目線に立って物事を見ていた」というのと「大久保利通と特別な友情があった」の二点について、この二点をテーマにしたかったならもっと描くべきことは山ほどあったと思ったし、なんか途中途中で思い出したようにこのテーマを想起させるシーンをぶつ切りで挿入された印象で、ドラマ全体を貫くテーマとしてあまり実感できず、無念でした。どこをどうしたら良かったんだろうか…。

真田丸と直虎の出来が良すぎたんだなということもひしひしと思った。けど離脱せずに最後まで観たし、つまんないなーと思いながらも最後まで観てくれる固定客がいるのも大河ブランドの強みだなと思ったりしました。

他の人の感想も読みたくてずっとインターネットを徘徊しています。真田丸や直虎のときから大河ドラマ製作陣はかなりTwitterエゴサしていたみたいですが、今回はどれくらいSNSのコメントを見ていたのかとても気になる。

真田丸のときから拝見させていただいているアンチョビさんの大河感想まとめ。

togetter.com

togetter.com

アンチョビさんは『西郷どん』が好きだったらしく、意図的に好意的な感想ツイートでまとめたと仰ってた。今までで一番私と感想の合わない大河まとめで、良いとか悪いとかじゃなくて、このドラマほんっとに好み分かれたんだなあ〜と思う。

ioe.hatenablog.com

毎回感想を楽しみに読ませていただいたioelogさん。

 

どうすればよかったのかなーってよく考えた1年だった。プロの仕事としての大河ドラマが見たかったな。いだてん、おもしろいといいなー。

 

 

【追記】

な、なるほどー!と思った解釈があったので引用させていただきます。

 

 

 

 

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